生首の彫刻?!ボンのミンスター教会

公開日 : 2017年04月18日
最終更新 :

こんにちは。ボン特派員の新井です。

4月にも関わらず、ボンの近くのジーゲンという街では10㎝の雪が積もりました!

ボンでは小雨気味ではありましたが、そこまで寒くなかったのですが...

今回はボンの象徴であるミンスター教会をご紹介します。

カトリック教会であるミンスター教会は11世紀から13世紀に建設されました。

ちょうどロマネスク様式からゴシック様式への過渡期だったため、

その2つの建築様式が融合した建築物となっています。

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こちらの写真は、教会の東側から撮ったものですが、

教会のふもとに頭だけの彫刻があるのがお分かりいただけるでしょうか。

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こちらの彫刻は2003年にトルコ出身のIskender Yedilerが彫ったボン市の守護聖人、

聖フロレンティウスと聖カシウスの生首です。

二人が所属していたテーベのローマ軍団はキリスト教徒だけで構成されており、

ガリアへ行進している途中、古代ローマ帝国の皇帝マクシミアヌスが

「仲間のキリスト教徒を殺し、マクシミアヌスを神として崇めよ」

という命を出しました。

軍団がその命に背いた結果、大虐殺が行われ、二人もボンで首を斬られました。

そのときの姿がこの彫刻です。

地面に無造作に転がった大きな首は、なかなか不気味です・・・

4世紀になると、コンスタンティヌス1世の母である聖ヘレネが、

二人のための礼拝堂(墓)を建て、その場所の上に現在のミンスター教会が

建てられたのです。

ちなみに二人とともに行動し、ケルンで首を斬られた聖ゲレオンは、

ケルンの守護聖人になり、聖ゲレオン教会のそばには、

同じようにIskender Yedilerによる首だけの彫刻があります。

こちらが教会の入り口です。

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かたく閉ざされた大きな扉の前にすると、圧倒されて中に入ってはいけない

気分にさせられますが、ご心配なく。普通に開けてください。

教会内の家具やインテリアの多くは16世紀末以降のものです。

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身廊前方にある銅像は、聖ヘレナです。

17世紀に旧カシウス修道院の修道長から寄進されました。

ステンドグラスはモノクロで、とてもモダンです。

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南側の翼廊の壁に描かれているのは、旅人の守護聖人である聖クリストフォルスです。

昼間にこの聖人にお祈りをすると突然死しないといわれており、商人などが

旅に出る前にお祈りをしにきたそうです。

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ミンスター教会にはカシウスとフロレンティウスの棺が置かれている地下聖堂もありますが、

守護聖人祭(10/10)以外は閉まっています。

ボン中央駅に到着すると、とがった塔の屋根が目に入るので、

すぐにどこにあるかわかります。

ボンに来た際には、ぜひ寄ってください。

開館時間 7:00-19:00

住所 Gerhard-von-Are-Straße 1, 53111 Bonn

電話 0228/2808899

ウェブサイト muensterladen.de

筆者

ケルン2特派員

マリ・ミュラー

ドイツに約10年在住。

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