"豪"に入れば "豪"に従え!? 知っておきたい小ネタ① 「アンザック・デー」 

公開日 : 2017年05月06日
最終更新 :

すっかりご無沙汰をしてしまっています。ブリスベンのタカです。

日本は、現在、ゴールデーン・ウィーク真っただ中。祝祭日に関して考える機会も多いのではないでしょうか。

そんなこともあって、今回は日本人滞在者が知っておくべき豪州の大事な祝日「アンザック・デー(Anzac Day)」を、ブリスベンでのその日の様子を交えてお伝えしようと思います。

毎年4月25日は、オーストラリアで最も重要な祝日の一つ「アンザック・デー(Anzac Day)」。

では、この「アンザック・デー」とは、いったいどんな日なのでしょうか。

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102年前、1915年のこの日。第一次世界大戦の激戦地トルコのガリポリ上陸作戦で連合軍の一角として参戦していた豪州・NZ両国の混合軍(この軍のことをANZAC軍と呼びました)の多くの兵士が犠牲となり、戦後、彼らを慰霊する日が制定され、Anzac day とされました。

第二次大戦以後は、この日が建国以来の全ての戦役で犠牲となった軍人・軍属の慰霊、そして全ての軍人・軍属への感謝の念を表す記念日となり、国民の遍くが宗教の違いは問わずに国民全体で大事にしている休日です。

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現在ではこんなに友好関係の進んでいる日豪両国も、70年前は「敵国」だったんです。ということは、太平洋戦争で日本と戦火を交える中で戦陣に散った将兵も当然ながら慰霊の対象に含まれます。下の写真では「太平洋での勝利」と表示されていますが、その戦いでの敵は旧日本軍の将兵だったのです。

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実際、数十年前までは、当地で暮らす日本人が、現地の人々に心無い言葉を掛けられたり、卵を投げられるようなこともありました。まだまだ、戦争を自ら経験したり、近い身内や友人などを戦争で亡くした方も多かったから、そういう感情を持つ人も少なくなかったのです。ただ、ここ20年くらいはそんなこともほとんど無くなってきました。滞在13年になる私もそういう経験は一切ありませんが、未だにこの日は無用な外出を避けるというお歳を召した邦人の方もいらっしゃいます。

だからこそ、観光客であっても、短期滞在者であっても、この休日に騒いだりすることは著しいマナー違反になることは是非知っておいていただきたい。そんな思いから、今回はこのトピックを選びました。

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オーストラリアの典型的なこの日のイベントは、日の出と同時に行われる「ドーン・サービス」という追悼行事。そして、朝にも「モーニング・サービス」という同様の行事が行われます。それら一連の行事を終えた後には、街の目抜き通りを、退役軍人やその家族がパレードして、それを沿道の市民が敬意をもって見守り称えるというのが毎年の決まった「アンザック・デー」の光景です。

上の写真は、2015年のブリスベン市内でのアンザック・デー パレードで戦後70年目にして初めて掲げられた日章旗を、少し分かりにくいかもしれませんが、とらえた記念すべき一枚です。退役軍人の少なくない反対を受けつつも、第一次大戦での友邦の国旗を上げて行進するときに日章旗がはためきました。その場に私も居合わせましたが、何とも感慨深い瞬間でした。

これからここ豪州、そして、ブリスベンにお越しいただく皆様に、"豪"に入れば"豪"に従っていただけるようなネタをお届けしていければと思います。

タカ

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