オーストラリアでのブッシュ・ファイヤー(山火事)事前対策について

公開日 : 2019年11月17日
最終更新 :

地球の歩き方トラベラーの皆さん、こんにちは。ブリズベンのちえです。

オーストラリア・クイーンズランド州全域、そして隣のニューサウスウェールズ州、さらにはヴィクトリア州において、近年最大規模のブッシュ・ファイヤー(山火事)が絶えず頻繁に発生しています。たくさんの人が家を失い、命を落とした人も多数となってきました。

今年は雨がほとんど降らず、1月に入ったこれからが真夏本番という時期、引き続きブッシュ・ファイヤーへの警戒が必要です。今回は、クイーンズランド州火災および緊急サービス(Queensland Fire and Emergency Service - QFES)から発表されているブッシュ・ファイヤー対策をお届けします。

*南オーストラリア州のブッシュ・ファイヤー対策に関する情報は、アデレード特派員・さくら麻美さんのこちらのブログをチェック:

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(写真提供:Unsplash)

まずは、とにもかくにも情報収集しましょう!!!

【日本語での情報はこちらから】

在ブリズベン日本国総領事館のウェブサイトおよびフェイスブックページをチェックしましょう。

【ブッシュ・ファイヤーによるスモークにも注意】

昨年、ブリズベンCBDからたった10kmのエリアでもブッシュ・ファイヤーが発生して、近辺住民が避難しました。

私はブッシュ・ファイヤーそのものの危険は少ないエリアに住んでいるものの、日によっては早朝からこのエリアでもスモークにより空気が淀んでいて、窓を開けることを控えています。窓を開けていると、煙たくて息が苦しくなり目が覚めることもあります。ブリズベンCBDでも、近辺でブッシュ・ファイヤーが発生した時には、シティ全体がスモークにどんよりと覆われ、視界も悪く、呼吸がしにくい状態になります。ご自身の健康のためにも、こういう状態の時には窓を締め、極力外出は控えましょう。マスクを使用するのもおすすめです(DAISOやPharmacyなどで買えます。工事現場などで使われる本格的なマスクは、Bunningsで買えます)。エアコンをつけるのもおすすめです。

【ご自身の住む場所がブッシュ・ファイヤーの危機にある場合、直ちにトリプルゼロ000に電話を】

000に電話し、避難の準備を整えつつ、指示を仰ぎましょう。

緊急時、ご自身でブッシュ・ファイヤー時の避難プラン(*ブッシュ・ファイヤー・サバイバル・プラン)があり、それが適切な場合は直ちにそれに従い避難しましょう。

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(写真提供:Unsplash)

以下、QFESからの『ブッシュ・ファイヤー危機:すべきことリスト』です。

【1】地元のラジオ局を聞く、または地元消防局のウェブサイトにて定期的に現状をチェックし、最新情報を入手する。

【2】ご自身で「ブッシュ・ファイヤー・サバイバル・プラン」がある場合、チェックしてそれにしたがって行動する。

注)ブッシュ・ファイヤー・サバイバル・プランの説明は本文後半にて。

【3】ご自身で「ブッシュ・ファイヤー・サバイバル・プラン」がない場合、もしくは直ちに避難するというプランの場合、もし状況が変化した場合でも、どこにどう避難するのかすべて明確にしておく。

【4】ドアや窓を閉め、スモークの影響を極力抑える。空気の循環が得られるため、エアコンをつけるのも良い。

【5】もしご自身の呼吸・気管などに問題(疾患)がある場合は、そのために必要な薬などを身近に持っておく。

【6】スモークや炎の影響で視界がかなり悪くなっているため、運転する際には細心の注意を払う。

【7】近所の人と連絡を取り合い、ブッシュ・ファイヤーに対する対策準備の手伝いをし、助け合う。

【8】万が一、避難しなければならなくなった時のために、ご自身の貴重品などをまとめておく(例えば、身分証明書の書類やパスポート、運転免許証など。処方薬や非常食、飲料水、体を保護する衣服、長袖の木綿シャツ、長ズボン、ブーツなど)。

【9】ペットや家畜がいる場合、どのようにそれらを守るのか事前にプランする。

【10】たくさん水を飲み、水分補給を欠かさない。

【11】今後の状況によって、ご自身がどのような行動をとるプランでいるのか(避難予定場所や行き先など)友人や家族に連絡しておく。

【こまめに現状の情報収集を!】

★最新の情報収集のため、QFESのフェイスブックページやツイッターをこまめにチェックしましょう。

QFESの情報は一番早く常に更新されている上、「ただちに避難(LEAVE NOW)」「避難準備(PREPARE TO LEAVE)」「様子をみて行動(WATCH AND ACT)」「待機して指示を待て(STAY INFORMED)」など指示も得られるので、ぜひ確認してください。

★地元のABCラジオもしくは地元商業ラジオをチェック。

http://www.commercialradio.com.au/www-radioalive-com-au/find-a-station/state/qld

★地元消防局のウェブサイトをチェック。

★ブッシュ・ファイヤーの準備対策の情報やアドバイス。

★道路封鎖などの情報や問い合わせ。

電話(13 19 40)にて問い合わせ、もしくは以下のウェブページにてチェック。

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(ブルース・ハイウェイ上で遭遇したブッシュ・ファイヤーのスモーク)

【ブッシュ・ファイヤー・サバイバル・プランとは?】

ブッシュ・ファイヤー・サバイバル・プランとは、ブッシュ・ファイヤーが発生した場合、どのような準備をしておき、どこへどのように避難するのか。家・家畜・ペットなどはどうするのかを細かくプランし、緊急時、パニックに陥ってもそれに従って行動すれば最低限の安全を保てるように、政府が事前にプランしておくように推奨しているものです。住まいの状況によって、各個人から家族単位、または隣近所と一緒になどのプラン方法があります。政府は、各自ブッシュ・ファイヤー・サバイバル・プランプランを作成した上、年に一度は見直し、各自避難訓練も行うように指示しています。

オーストラリアはとても広大な国です。日本のように隣近所が近く、市町村の単位で目が行き届くような距離感に人が住んでいない場合が多々あります。人によっては、何千頭もの家畜を所有していたり、自分の家の敷地の端から端まで行くのに25km以上も車で走らなければ到達しない、などという家もあります。湖や川など、水辺から非常に遠い乾燥した内陸地で生活している人もいます(遠いの距離感も何千kmの単位だったりするので、消防に連絡しても駆けつけてもらえるまで非常に時間がかかったり困難だったりするのです)。どんな素材で作られた家に住んでいるのかも問題になってきます。住んでいる場所も丘の上なのか、中間なのか、下なのかでもブッシュ・ファイヤーの到達するスピードなどが変わってきます。

ブッシュ・ファイヤーの影響というのはその人の住む場所や土地、位置、状況でさまざま。政府は、事前に各自に適した対策及び避難プランを考慮して用意しておくことをすすめています。

オーストラリアでは、日本とは状況が違うということをしっかり理解しておきましょう。日本なら住んでいる市町村から「ここに避難しましょう」「こうしましょう」といった"決まり"のようなものを教えてもらえることがあります。場合によっては市町村内放送などがあって避難指示などを得られたりもしますが、オーストラリアでは地域によってはそのような援助を得るのが大変難しい場合があります。ブッシュ・ファイヤーが頻繁に発生する地域には、そのコミュニティ内に避難できるシェルターが作られていたりすることもありますが、基本、各自で意識して調べ考えておかなればなりませんので注意してください。特に、かつてブッシュ・ファイヤーの被害にあったエリアや森林(ブッシュ)近郊に現在滞在中の方、交通アクセスに不便なエリアにいる方など、絶対に確実に、避難プランや事前確認をしっかりして、いざという時に備えてください。

ブッシュ・ファイヤー・サバイバル・プランの詳細は以下のリンクから。

このリンクから、ご自身のプランを作成することができます(英語)。

「CONTINUE」を押せば記入していなくても次のページを見ることができるので、ひと通り目を通すのでも、どんなことをプランしていけばいいのか把握できてとても参考になります。

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(島の反対側でブッシュ・ファイヤーが発生中。空の白いものは雲ではなく、ブッシュ・ファイヤーのスモークです。)

現在、ブッシュ・ファイヤーは引き続き起こっています。今は安全な場所にいる皆さんも、この機会に、もしもの場合の対策と避難プランを考えておくことをおすすめします。

また、日本から来ていて日本の家族が身近にいない場合でもオーストラリア内にいる知人友人、そして近所の人などに声をかけて、いざという時にどうするのか話したり確認し合うのも大変いいと思います。

皆さん、このブッシュ・ファイヤーシーズン、どうぞ無事に安全にお過ごしください。

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