アール・ヌーヴォーとアール・デコを極めるビエンナーレ ② コーシー邸

公開日 : 2013年10月21日
最終更新 :
筆者 : SAORI

2013年の10月毎週末に開催されているのは、第7回目を迎えたアール・ヌーヴォーとアール・デコのビエンナーレ。今回は、日本芸術の影響を受けたといわれる建築家ポール・コーシーが、1905年に自宅として建設したコーシー邸をご紹介します。

4g.jpg

ポール・コーシーは1905年に結婚し、その妻リナと住むためにこの自宅を建てました。現在は、地下と地上階が日時限定で一般公開されており、2階と3階は一般住居として使われています。

コーシー邸は、ズグラッフィート(= 2層の対照的な色からなる漆喰の、表面の湿った層を掻き落として線画を描く壁の装飾技法)を使ったファサードと内装が高く評価されています。

新婚のコーシーが建てた自宅の外壁中央には、「Par Nous Pour Nous (私たちによる 私たちのための)」と書かれています。

4h.jpg

また、3階の窓の鉄枠のデザインは、「間」という漢字を表しているのではないかといわれています。地下のギャラリーには、日本人書道家による「間」の書や、華道家の作品が飾られています。

4i.jpg

内部は写真撮影が禁止されていますが、コーシー邸のHPではいくつか写真が公開されており、様子をうかがうことができます。見学可能な地上階の部屋には、2人が結婚した1905年の文字やハート、女性の姿などが壁一面に描かれ、部屋中にアートが溢れています。内部を案内して下さったガイドの方によると、室内に描かれた女性の何人かは日本画に描かれた芸者の姿を真似ているそうです。

コーシーが亡くなった後、1979年にはタンタンをはじめとするベルギーの人気キャラクターを展示するマンガ博物館を、このコーシー邸に設置するという企画が持ち上がりました。結局、この企画は十分な資金を得られず、コーシー邸ではなく、現在のマンガ博物館の建物が設置場所として選ばれたのだそうです。

ビエンナーレ開催期間中以外でも、毎月最初の週末に一般公開されるコーシー邸。新婚のコーシーが愛する妻との生活のために建てた美しい愛の巣は、一見の価値ありです!

Maison Cauchie

住所: 5 Rue des Francs, Etterbeek

開館日時: 毎月最初の週末 10:00~13:00、14:00~17:30(最終入場は16:45)

入場料: 5ユーロ(12歳以下の子ども 無料)

<お役立ちメモ>

アール・ヌーヴォーからモダン・デザインへの展開を促したといわれるベルギーの建築家アンリ・ヴァン・デ・ヴェルデの特別展示が、コーシー邸近くのCinquantenaire Museumで期間限定で開催中です。コーシー邸の見学のついでに、覗いてみてくださいね。

Exhibition Henry van de Velde

開催場所: The Cinquantenaire Museum (Parc de Cinquantenaire 10)

開催日時: 2014年1月12日まで (月曜日、11/1、11/25、12/25、1/1 閉館)

入場料: 10ユーロ (65歳以上 7ユーロ、6~25歳 4ユーロ、6歳以下 無料)

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。