リアル過ぎるアート ドゥエイン・ハンソン(Duane Hanson)展
先日行われたMuseum Night Feverで多くの入場者を集めた企画のひとつは、イクセル美術館での演劇ライブでした。アメリカ社会の現実を皮肉って表現したこの演劇は、実はイクセル美術館で展示中のドゥエイン・ハンソンの作品のテーマと通じるところもあり、展示されている人物と俳優が共存する不思議な空間での演劇となりました。
それもそのはず、展示されているのは、本物の人間ではないかと見間違うほど精巧にできた彫刻。実際の人間から型を取って制作された彫刻は、あまりにもリアル過ぎて、なぜかちょっと不気味な気持ちを覚えずにはいられません。
ドゥエイン・ハンソンは1925年ミネソタ州生まれ(1995年没)。60年代にはべトナム戦争や人種差別などに抗議する作品を作っていましたが、やがて人間そのものを題材として作品を作るようになりました。
1967年からは生きた人間から型を取って、ポリビニール製の人物像を作り、本物の人間そっくりに色をつけ、衣服を着せ、アクセサリーなどの小道具をつけ、髪の毛を埋め込み、ガラス製の目玉をはめ込むというプロセスを踏んでいるそうです。
本物の人間から型を取ってはいるものの、ハンソンの作品はどこか同じ顔に見えると感じる人もいるかもしれません。それは、ハンソンが作品に手を加え、それぞれの人物像が特定の個人を表現しているものではないという点にこだわっていたからだと言われています。
リアルに限りなく近い現実を表現しながら、現実ではない作品。アメリカ社会をシニカルな目で見つめたハンソンの現実的で非現実的な世界にしばし浸ってみませんか。
DUANE HANSON Sculptures of the American dream 2014年5月25日まで
場所: Musée d'Ixelles
開館日時: 火~日 9:30~17:00(休館日: 月・祝)
入館料: 大人 8ユーロ
住所: Rue Jean Van Volsem 71, 1050 Ixelles
TEL: +32 2 515 64 22
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