『星の王子様』に登場する火山を求めて、エルサルバドルへ!
先週のゴールデンウィークに、
中米の小国・エルサルバドルへ行きました。
グアテマラ、ホンジュラスと国境を接し、
国土面積は四国ほどの広さしかありません。
そんな小さな国だけど、火山と湖がいくつもあり、
地形は変化に富んでいます。
あのロンリー・プラネットが選ぶ、
おすすめの国ランキング(2010)の1位に選ばれたというエルサルバドル。
5泊6日の旅レポをお届けします。
サンサルバドル火山のふもとに位置する
首都サンサルバドルの海抜高度は658m。(資料によっては682m)
朝起きると、あたりは霧に包まれていました。
ちなみに、首都滞在中は
友人の家に泊めてもらったのですが、
(↑)と(↓)の写真は、そのお宅のベランダからの景色。
一国の首都でありながら、こうして熱帯の森が広がっていることに感動!
ブエノスアイレスでは、まず目にすることの出来ない景色です。
サンサルバドル市内を、ちょっと観光してみることにしました。
・・・と言っても、歩いて散策するのではなく、車に乗ったまま。
近年、「マラス」と呼ばれる凶悪犯罪集団(18〜22歳くらいまでの青少年)
による犯罪が激増しているというエルサルバドル。
組織間の抗争もあり、その抗争に一般市民が巻き込まれることもあるそうで、
ここに住む日本人の多くは、車で移動するのみで市内を歩き回ることはないのだとか。
▲早朝から賑わう市場を通り抜けて。
▲国立劇場
▲カテドラル。外壁の絵は、エルサルバドルの画家、フェルナンド・ジョルト(Fernando Llort)による。
四国ほどの広さしかない小さな国でありながら、
意外に見所がたくさんあったエルサルバドル。
初日は、スチトト(Suchitoto)の町へ行きました。
首都サンサルバドルから車でおよそ1時間。
150年以上の歴史のある町らしく、
石畳の道が残るスチトトの風景。
カラフルなハンモックなどの民芸品を売る店が並んでいます。
ここスチトトでは、
JICA青年海外協力隊の隊員が藍染めの指導をしているそうですが、
私も藍染めのワンピースを買っちゃいました!
▲きれいな藍色でしょう?
▲同じお店で購入したワンピ。鮮やかな色の刺繍が目を引きます。
▲なんて細やかなッ!エルサルバドルの人たちって器用なんですねえ。
▲色とりどりのカゴも可愛らしい!
ちょうどこの時期、聖十字架の祭り(Cruz de Mayo)があり、
あちこちで装飾された十字架を見かけました。
面白いなあと思ったのは、(↓)の紙で作られた飾り。
よく見ると、日本の「七夕」の、ささのはの紙飾りにソックリなんです。
▲砂糖で出来たお花も飾られていました。おひとついただいたので食べてみましたが・・・
・・・まぁ。スイーツとして美味しいとは言えません。
小さな町ですが、観光地なので、レストランやカフェ、バルもあります。
それがなかなかカワイイお店ばかり。
教会の横っちょにあるこぢんまりとしたバルに入ることにしました。
▲ユカのフライ。ホクホクで美味しかった〜♪
この町は、首都サンサルバドルから近いので、日帰りで楽しむことが出来ますが、
ゆっくり町の雰囲気を味わいたいという人はホテルで1泊してもいいかも。
▲ホテルの入り口。
▲ホテルの中庭。
▲フロント。
▲バルコニーからスチトト教会が見えます。
【Hotel Las Puertas】
住所*2a Av Norte y Av.15 de Sept.
電話*(503)2393-9200
スチトトを出て、次はサンサルバドル火山を目指します。
その道の途中、古い、というよりボロボロに壊れた教会跡を発見。
▲La Casa del Patrono。内戦の頃に破壊された。
1980年から92年まで続いた内戦で、
実に75,000人の人々が命を奪われたと言われています。
当時の政府軍と戦っていた左翼ゲリラ組織FMLNが、
2009年の大統領選挙で勝利し、現在の政権が誕生した・・・
などなど、この国の暗い歴史や、現在も残る問題などを、
エルサルバドルに住む友人や
彼の車を運転するドライバーさんに話してもらいながら
車は走り続けます。
アップダウンの激しい山道。
窓からの景色が、次々に変化していきます。
サンサルバドル火山に到着しました。
この火山の最大の噴火は1917年で、
この時の噴火は3つの大地震の引き金となり、
首都サンサルバドルは大きな被害を受けたそうです。
そのため、政府は、首都を移動せざるを得なくなり、
現在のサンタ・テクラ(Santa Tecla)に一時移転したとか。
▲サンサルバドル火山の火口。
エルサルバドルにはいくつか火山がありますが、
この旅で、私が最も行ってみたかったのがイサルコ火山です。
実は私、サン・テグジュペリの『星の王子様』のコレクターなのです。
旅した先々で、その土地で話されている言語で書かれた本を買って集めています。
星の王子様が住む小惑星には3つの火山があるのですが、
その火山のモデルとなったのが、イサルコ火山であるというのです。
最初に訪れたときは、霧が深くて全く見えなかったのだけど、
▲2度目、霧が晴れるのを辛抱強く待ち・・・
▲ついにその姿を目にすることが出来ました!
▲もちろん、『星の王子様(スペイン語版)』のミニサイズ本を持参。
なぜ、中米の小国にあるこの火山がモデルになったのでしょう?
この本の作者サン・テグジュペリの妻はエルサルバドル人で、
お話に登場する「よその星からやってきた種から咲いた1輪のバラ」とは
その妻がモデルだと言われています。
サン・テグジュペリ本人は、
エルサルバドルの地を踏んだことはないそうですが、
彼は妻から、イサルコ火山のことを聞いていたのでしょう。
この国には、他にも見所がたくさんあります。
たとえば、
▲世界屈指の透明度を誇るオコテペコ湖。ダイビングスポットです。
▲マヤの遺跡群(写真はタスマル遺跡)
この国を訪れるまで、
エルサルバドルではなく「エルサルバトル」だと思っていた私(笑)。
それほどエルサルバドルのことを何も知らなかったのですが、
訪れてみると、自然、文化、エルサルバドル人の温かさに
すっかり魅了されてしまいました。
→次回記事に続く
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