アルゼンチンで新型コロナウイルス患者で初の死者(2020年3月7日)南米で初:教育省により感染危険高レベル地からの帰国の教師生徒は2週間の自宅待機

公開日 : 2020年03月08日
最終更新 :
筆者 : 相川知子
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ブエノスアイレス市内ボカ地区のアルヘリッチ国立病院にて2020年3月7日午前中に新型コロナウイルスが原因で64歳の男性が死亡しました。2月25日にフランスから帰国し、その当日は問題なかったようですが28日から熱が高くなり咳とのどの痛み、気分が悪くなるなどの症状が出ました。3月4日緊急入院し集中治療室に。すでに糖尿病や高血圧、慢性気管支炎、腎不全などの持病があったそうです。

南米ではすでに7ヵ国で患者が出ています。本日3月7日にパラグアイで第一号の患者が出たばかり。エクアドルから到着したそうです。ペルーは感染者が刻々と増えているし、チリもそうだし、隔離されなくても日本からの帰国者は自宅待機を余儀なくされているそう。

アルゼンチンは2020年3月3日の初感染者から、

すでに患者は8名でした。ただ、今回亡くなったアルゼンチン人男性はその8名のうちの1名ではなく、ちょうど本日3月7日の午後新型コロナウイルス感染陽性結果がエセイサ空港のInstituto Malbranマルブラン研究所から届いたときにはすでに亡くなっていました。結果 現在8名の患者、1名死亡、20数名が現在経過観察や検査結果待ちのため隔離観察中とのことです。

アルゼンチン保健省、ブエノスアイレス市保健省ではまず、

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(参考:アルゼンチン小学生男子向けの衛生用品)

Lavado de manos frecuente con agua y jabon;

手洗いを水と石けんを用いて煩雑に行うこと、

Cubrirse la nariz y la boca con el pliegue codo o usar un panuelo descartable al toser o estornudar;

咳やくしゃみをするときには肘をまげて鼻と口を覆う、または紙ティッシューを使って行うこと、

Ventilar los ambientes;

換気をよくすること、

Limpiar frecuentemente las superficies y los objetos que se usan con frecuencia.

いつも使うものの表面をよく清潔に保つこと、

Ante la presencia de fiebre y sintomas respiratorios (tos, dolor de garganta o dificultad para respirar) se recomienda permanecer en el hogar.

熱や気管支系の症状(せきや、のどの痛み、呼吸困難)が出たら家で安静にすること、

Para quienes llegan del exterior, se sugiere permanecer en el domicilio y no concurrir a lugares publicos como ambitos laborales, recreativos, deportivos, sociales, durante 14 dias.

外国から帰国した場合は自宅待機の上、職場や遊技場、スポーツ場、社交の場などの公共の場に14日間は出るのを控えることなどを推奨しています。

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ボディーソープはアルゼンチンではほとんど販売されていないか高価ですが、ハンドソープやアルコールジェルは家庭でもお店や公共機関でよく使用されています。

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なお、上記の症状が当てはまり、新型コロナウイルス感染の症状の疑いがある場合は病院へ行かず、107番へ電話すること。必要な場合は、装備のある救急車で駆けつけるとのことです。

なお、上記アルヘリッチ病院で亡くなった男性は新型コロナウイルス感染の疑いがあったため、すでに必要な隔離がされていたようです。

昨日は労働省から感染高危険レベル地域、国からの帰国者は、職場出勤を止める特別緊急感染対策令が取られましたが、教育省により同じく感染危険高レベル地から帰国した教師並びに生徒は2週間自宅待機を要請されました。

現在アルゼンチンは夏休みシーズンであり、イタリアやスペインをはじめとするヨーロッパにルーツを持つ親戚が多かったり、ヨーロッパ周遊旅行を楽しんできた家族が先週から今週多く帰国していたりします。

ほぼ全国すべてのレベルの学校が開講となる来週早々教育現場での混乱が予想されます(本日3月8日時点で学校の対応はまだ出ていません。実は私の勤務する学校はアスベスト建築の問題があり、それがやっと解決したという旨の連絡は昨日ありました)。

アルゼンチンはすでにほかの国の例を見ながら、水際対策を順調にとっているかのように見えますが、2020年1月に保健大臣ヒネス氏はアルゼンチンは夏であるし新型コロナウイルスは生き延びないから心配はいらない、アルゼンチンには新型コロナウイルスはやってこないと断言してたため、現在批判が高まっています。

折しもアルゼンチンは今週末は熱波がおよび、この夏一番の暑い日が続いています。

そのなかで蚊が増えているため、アルゼンチン北部のサルタ州だけで、デング熱患者は188名出ています。

3月8日は国際女性デー、女性蔑視による殺害や暴行事件は29時間に1件起こっているそうなので、こちらも大きな問題です。

なお、本ブログには、日本からだけではなく世界各地からのアルゼンチンをはじめとする南米への日本人旅行者による問い合わせが最近増えています。アルゼンチン入国には、今のところ上記の症状がないかの問診票だけですが、イタリアからの直行便は別のプラットフォームにおろされているので今後フランスやスペインからの便に拡大されるんでしょうか。

tomokobuenosaires@gmail.com

なお、在アルゼンチン日本領事館ではもし隔離などされ困っている場合は連絡をしてほしいとのことです。

■在アルゼンチン日本国大使館

・住所: Bouchard 547 Piso-17, Buenos Aires, Argentina

・電話番号: (市外局番011)4318-8200 / 国外からは(国番号54)-11-4318-8200

・FAX: (市外局番011)4318-8210 / 国外からは(国番号54)-11-4318-8210

・URL(日本語版): http://www.ar.emb-japan.go.jp/index_j.htm

●大使館代表 電話番号: +54(国番号)-11-4318-8200

●領事班直通 電話番号: +54(国番号)-11-4318-8200

●広報文化センター 電話番号: +54(国番号)-11-4318-8240

昨日、日本人が一人隔離されたという噂はガセネタらしいという情報がありました。

一方で現在、同じアルへリッチ病院ではもう1名26歳の女性がイビサから帰国して同様な症状で検査結果を待っているそう。そして冒頭でお話した亡くなった方の妻は、夫の死のショックもあり、また現在検査を拒否しているといいます。また、現在その場に居合わせた医療従事者の断定を急いでいて、帰国後関わった人物も調べているところだそうです。

筆者

アルゼンチン特派員

相川知子

1991年よりブエノスアイレス在住。スペイン語とラテンアメリカが大好き。アルゼンチンのことを日本に周知がライフワーク。

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