5月25日建国記念日はLOCRO(ロクロ)を食べます。RAUL OLARTE先生の家で直伝の3時間仕込シチュー

公開日 : 2020年05月26日
最終更新 :
筆者 : 相川知子

5月25日はアルゼンチンにとって一番特別な日。1810年5月25日が革命記念日だからです。Feliz día de la Patria! フェリス・ディア・デ・ラ・パトリアといってお祝いします。

当時、スペインのラプラタ副王領にこの地域は属していましたが、独立して自分たちの国 Las Provincias Unidas del Rio de La Plata ラプラタ州連合が発足させました。これが後のアルゼンチンの起源となりますので、5月革命の記念日である5月25日はアルゼンチンの建国の日とされ、2020年は210年目の建国記念日です。

通常は5月広場という町の中心地へ行ってお祝いするのですが、今は新型コロナウイルスで誰もどこにも行けません。

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この日おともだちの RAUL ORALTE ラウル・オラルテ先生が奥さんのメルセデスさんと3時間がかりで煮込んで作ったアルゼンチンの最高の郷土料理 LOCRO ロクロをいただいて祝ったので、ご紹介します。

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おいしそうでしょう!

これは現在のアルゼンチンの北部が発祥の料理です。

材料は

Maíz pisado blanco 白とうもろこしをつぶしたの

Porotos pallares いんげん豆

Cuerito de cerdo 豚の皮

Roast beef  牛肉のローストビーフという部位

Patitas de cerdo 牛足

Chorizo colorado 赤チョリッソ

Panceta salada  塩ベーコン

Zapallo, cebolla, cebolla de verdeo, laurel,  かぼちゃ、玉ねぎ、ネギ、ローリエの葉

Condimentos : ají molido, sal, pimienta, pimentón, locoto. 調味料は チリパウダー、塩、コショウ、パプリカ、ロコト(トウガラシに似ている)

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(しかしこの量! ふたりでいつまで食べるんでしょうか......)

これはアルゼンチンの特に北部の郷土料理です。1978年から音楽大学に通うためブエノスアイレスに引っ越しましたが、いつも5月の革命記念日はその北部の味を、そしてアルゼンチンの伝統を忘れないために必ず食べるんですよ!とのこと。

ラウルさんはフフイ州ウマワカ出身でウマワカはフォルクローレというアルゼンチンの民謡のメッカです。

4歳のときからケーナを吹き、今はなき Ariel Ramirez や Jaime Torres の後を継いでいるフォルクローレの第一人者です。

しかしいつも気さくで親日家、日本文化のイベントなどにお呼びすると来てくださいます。

こちらは2018年の今頃ですね、ブエノスアイレス国際書籍展で明治大学の内田先生の講演会の後、大使館のスタンド前にて記念写真

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以前当方がコーディネートした番組でサムライアーティスト「剱伎衆かむゐ」のショーも見に来てくれて番組の中でうつっています

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アルゼンチンのフォルクローレの祭典が毎年1月の夏、コルドバ州コスキン市で開かれますが、これには若いときから出演していました。

13歳からアルゼンチンで最大のフォルクローレの祭典コスキンに出場しました。

これに出ればアルゼンチンではプロと認められたそう。

もちろん日本とアルゼンチン関係イベントでも呼ばれ、特に日亜修好100周年のイベント、そして書道家の紫舟さんとアルゼンチン音楽と書のパフォーマンスなどに協力しました。

コスキンのフォルクローレフェスティバルと同様、日本は福島県の川俣町でコスキン・エン・ハポンという日本版のフォルクローレ大会に

何度か(2002、2004、2017、2018)出演していますが、2018年にはポスターそして、会場の門がラウルさんでした。

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そのとき、広島にも行ったよ!と報告がありました。

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なお、原爆の子の像あたりに行くと暑すぎてポンチョはもう着れなかったそうです!

暑かったんですって......

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しかし姫路城前ではケーナを演奏したそうです。

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ラウルさんの演奏を聴くとパーっと彼の故郷のウマワカ渓谷(世界遺産指定)の鉱物があるためいろいろな色に柄に見える山間を思い出します。

こちらはラウルさん作曲の Cuesta de Azul Pampa です。聴いてみてくださいね。

今アルゼンチンは全国隔離期間で、今日からまた6月7日まで延びました。

新型コロナウイルス患者数は先週からピークを迎え、本日、アルゼンチン国内では1万2628人(昨日から552人増)の累計感染者数、そのうち467人が残念ながら死亡しました。ここ1週間で400から750名の患者が増えています。

そのため、先日日本からいらっしゃったときにお連れしたタンゴとフォルクローレのショー CANTUTA は現在閉鎖中でショーもありませんが、オンラインでケーナなどを教えていたりするそうです。

昔の雑誌の整理もしています。

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また今年もコスキン・エン・ハポン2020に呼ばれていましたが、現在アルゼンチンは国境封鎖になっていますし......昨年悪天候のため初めて中止になったそうですが、2020年も新型コロナウイルスで2年連続中止となってしまいました。たいへん残念ですね。

筆者

アルゼンチン特派員

相川知子

1991年よりブエノスアイレス在住。スペイン語とラテンアメリカが大好き。アルゼンチンのことを日本に周知がライフワーク。

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