ヨーン･ウッツォン展

　ヨーン･ウッツォンというデンマーク人をご存知だろうか？先日、建築界のノーベル賞と呼ばれるプリッカー建築賞を受賞した、デンマークを代表する建築家だ。コペンハーゲンの北にあるルイジアナ現代美術館で今月2日から8月29日まで、ヨーン･ウッツォン展が開催されている。　名前を聞いてピンと来ない人も、彼の代表作･シドニーのオペラハウスはご存知のはず。1956年オペラハウスのコンペに優勝し、設計を手掛けたウッツォンだが、完成の7年前に当時のオーストラリア政府とデザインをめぐって衝突、プロジェクトを離脱した。以来彼はオーストラリアに戻らず、完成したオペラハウスを未だに自分の目で見たことはないという。 　その他にもクゥェートの国会議事堂やイランの中央銀行など、海外では国家規模のプロジェクトを手掛けたウッツォンだが、デンマーク国内では教会や集合住宅など、生活に根差した建築に携わっているのが興味深い。展覧会ではオリジナルの設計図や模型、完成までのプロセスを撮影したドキュメンタリーやウッツォンのインタビューなど、さまざまな角度からウッツォン作品を知ることができる。　ルイジアナ美術館のミュージアム･ショップや海の見えるカフェもおすすめ。コペンから約４５分と少し遠いが、海岸沿いの美しい景色とデンマークらしいゆったりした雰囲気が楽しめる。ルイジアナ現代美術館Gl.Strandvej 13, 3500 HumlebaekTel: 49 19 07 19http://www.louisiana.dk開館時間：10:00～17:00(水曜日は22:00まで)入場料：大人74クローナ