コペンハーゲン自転車事情

公開日 : 2009年11月22日
最終更新 :
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ここデンマークでは、よく言われている通り「ここは中国?!」ぐらいの勢いで自転車が街を滑走しています。

平坦な土地柄が手伝って、車で移動するよりも自転車で移動した方が手っ取り早く便利なので、自転車は国民一人当たり一台、ほぼ普及しているのだとか。コペンハーゲン中心から各方面へ電車やバスを利用するよりは、自転車の方が早い時もあるぐらいです。

その秘密は自転車道。歩道と車道に加えて自転車専用の自転車道が、市内はもちろん郊外に至るまでデンマーク全土で完璧に分けられているから。

大きい道路でも自転車道がちゃんとあるため、バスやトラックがビュンビュン走るその横で自転車はこれまたものすごい勢いで風を切り、走り去っていきます。みんななんでそんな必死なの?というぐらい必死…

どれくらい多いのかと言うと、こちらをご覧ください。(デンマークでは普通の自転車プラス少し変わった個性的な自転車も普通に多く使われているのも特徴的です。)

朝と夕方のラッシュアワー時は、まさに毎回ツール・ド・フランス、ならぬツール・ド・デンマーク!

基本は2列で右側は(表向きは)のんびりな人用、左側は追い越し車線なのですが、ラッシュアワー時は接触事故が起こりそうなぐらいひしめき合っています。のんびりなんてしてたら罵声が飛んでくる時も。

そう、デンマーク人普段は穏やかな人でも、自転車に乗っているとアグレッシヴ度50%ぐらいアップするので要注意です。

みんながみんなすごいスピードで漕いでいるので、その波についていくのに最初は必死でした。まあ慣れると自分もデン人並みに後ろを顧みず飛ばすのですが…

自転車用の小さい信号もあり一方通行の右側レーンなので、日本のように「あ、道間違えたからUターン」と気軽に曲がることはできず、二段階右折ならぬ二段階左折する必要があります(これが一番不便な所)。

なので道を間違えてしまい、でも直線道で周りに流されてなかなか曲がる場所がなく、気づけば目的地とはかけ離れた所へ…というのもあり得る話です。(私だけ?)

その上、右折・左折時は腕で合図をしなければならず、これがまた慣れるまで大変。手旗信号のようで小っ恥ずかしいやら…

あと、夜間はランプを前後に点灯させておかないと罰金1万ぐらい盗られますのでご用心を。

と、まあ日本の自転車に乗る感覚では到底ついていけない速度と決めごとがいっぱい。

日本ではフラフラとチャリでそこまで…という感覚が、こちらに来るとみな競輪、速度は出してナンボのような感覚ですので、危険度も大。

観光客が慣れない自転車道に気づかず闊歩しているコペン中心では特に気をつけなければいけません。

自分もデンマークに来てすぐは、気づいたら自転車道を歩いてた…なんてしょっちゅうでした。

デンマークにて満足に自転車に乗れるようになるまでに要した期間、しめて1ヶ月!

チャリをゲットしてしばらくは、近所の大きい道路(直線)で自転車に乗る練習からスタート…

あ、もちろん私日本ではチャリでガンガン出かけていたにも関わらず、です。

なぜ練習が必要かというと、まずデンマークの交通事情に慣れる前に、デンマークのチャリに慣れる必要があったから…

まず、デンマーク人はガタイがデカイ!故におのずとサドルも激高。

私なんて一番低いサドルでよーーーーーうやくつま先が着くか着かないか程度。(危)

そしてサドルが、日本のに比べて断然堅い!

少し走ると翌日、おしりに鈍い痛みが…

なんでおしりが筋肉痛に、とよくよく考えてみると、あの堅いサドルが原因として思い当たりました。ま、これも要は慣れでその内、ケツ筋(笑)が鍛えられ、皮も厚くなってくるようですが…

あと厄介なのが、こちらの自転車はほとんどがペダルを逆回転させるとブレーキがかかる仕組みになっていること。

…と言ってもあまりピンと来ませんが、坂道になるとペダルを逆に漕いでウィーン!と日本にいた時と同じようにやってしまうといきなりブレーキかかってエラいことになります。

ていうか、怖い。

これに慣れるのに一番時間がかかったかも。交通ルールよりも!

とまあこのように、日本で乗っていた時と同じように自転車に乗るのは無理があります。要は慣れてしまえばどうってことないのですが、初めてコペンへ自転車で出かけた日は、もう大緊張でした…

ただでさえ方向音痴の私、ビュンビュン飛ばすデン人に混じり、こんな変な仕様のデンマークチャリンコ、略してデンチャリに乗ってちゃんと目的地に着く事ができるんだろうか…と最初かなりナーバスになったことを覚えています。

デンマークで自転車に乗るのがこれほど難しいとは思っていなかったのですが…

それが今ようやく、「デンマークでの自転車は日本のそれよりも数倍便利!なぜなら自転車区画が整備されているから!」と実感できるようになりました。

自転車を使うのもエコの観点から。これに乗れるとコペンハーゲン巡りが何倍にも便利になりますので、長めに滞在するのであればぜひとも利用してもらいたいツールです。

期間限定のシティレンタルバイクについては、次回またご紹介します。

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