10年毎の盛大な誕生日パーティー(70歳誕生日)
デンマークには10年毎の誕生日を盛大にお祝いする習慣があります。
今年、私の義父が70歳を迎えるので、先日誕生日パーティーが開催されたのですが...デンマークの文化・伝統に大いに驚きました。というわけで、今回は少々個人的なネタになりますが、義父の誕生日パーティーについてレポートさせていただきます!
デンマークでは18歳から成人なので、18歳で大きな誕生日パーティーをする代わり、20歳の誕生日はわりと地味なようです。けれど、30歳、40歳、50歳、60歳、70歳、80歳、90歳、100歳...は特別!とくに、60歳の誕生日は盛大にお祝いするようです。義父・義母とも、60歳の誕生日パーティーは、デンマーク国内や海外などで、それぞれ3回開催したとのこと...!
そして、今回は義父の70歳誕生日パーティー。義父は11人兄弟なのですが、やはりその年になると身体的に出席できない方も多く、欠席者も多かったそうです。それでも他の親戚やご近所の人を呼んで約40名が出席!
テーブルは上品で華やかなセッティングで、どう見てもただの誕生日会ではありません...。どちらかというと結婚披露宴が始まりそうな雰囲気。席次表もあって、座る席は決まっています。また、席に置いてある紙は、本日のメニュー。...やっぱり「結婚披露宴」のようです。笑。
12時開始だったのですが、まずは隣の待合室で挨拶と団欒。クラシックな待合室は落ち着いた雰囲気。真ん中のテーブルには、出席者から義父へのプレゼントや手紙が置かれました。
出席者はただ来て待合室の席に着くのではなく、各テーブルを回って1人1人に丁寧に挨拶をして回ります。それから、久しぶりに会った親戚の皆さんや初対面の方としばらく団欒タイム。
雰囲気が温まったところでパーティー会場へ移動です。指定された席に着いて、シャンパンが注がれたところで、義父が自ら乾杯の音頭をとります。「スコール(Skål)!」
メニューは前菜、メイン、デザートの3品コース。メインはさすがデンマーク。鹿料理でした!でも、癖はなくて食べやすかったです。
食事をしながら団欒を楽しむのですが、途中でいくつかエンターテイメントも。
デンマークでは10年毎の誕生日会に、替え歌をつくってみんなで歌う伝統があります。デンマークの誰もが知っているクラシックな歌を選び、その歌詞を誕生日パーティー用に書き換えるのです。今回、歌詞を書いたのは、私の夫と義姉と義母。義父の面白いエピソードや性格を象徴するようなエピソードを歌詞にしていくので、それはもうけっこう大変な作業です。が、その歌詞を考える過程で「あんなこともあった!こんなこともあった!あれは笑えた!」などと義父の昔話に花を咲かせる場面もあり、とても楽しそうでした。結局、"Marken er mejet"と"Jeg har min hest, jeg har min lasso"という2曲が替え歌になりました。しかも、1曲は歌詞が「5番」までつき、もう1曲は歌詞が「11番」までつけられました...。長い。笑。
いざ、歌詞カードが全員に配布され、替え歌合唱タイム。どうやら歌詞がとてもウケタようで、歌いながら笑い声がよく聞こえました。...大成功だったようです!
じつは私は2曲ともピアノ伴奏で参加。久しぶりのピアノ演奏だったので、直前の1週間は毎日義姉のアパートにおじゃましてピアノの練習をする日々を送り...当日無事に役目を果たすことができたのでホッとしました^^
替え歌合唱のほかにも、スライドショーやスピーチがあります。スライドショーでは、義父の幼い頃の写真から現在に至るまでの写真が映し出されました。とくに昔の写真にはみんな釘付け。懐かしく写真を眺めると、会話が弾みます。
今でもそうなのですが、ユトランド半島の年配の皆さんは写真撮影が大の苦手。写真を撮られると思うと緊張してしまうのか、写真を撮られること自体が嫌いなのか、カメラに向かって自然な笑顔を向けられないのです。なので、昔の家族写真などはみんなものすごく不機嫌そうに映っていたりして...それがまた笑いのネタになってました。
デザートまで食べて、約3時間の誕生日パーティーが終了。でも、それで終わりではありません。先ほどの待合室へ再び移動し、再び団欒タイムです。コーヒーや紅茶とチョコレートが出され、とにかくしゃべり続けます。時々、席を移動するものの、この団欒力(?)は凄いです。結局、その後2時間くらいはそのまま待合室で団欒が続きました。
そして、やっと17時頃、本日のメニューの最後となるスープが登場。小さな肉団子入りのクラシックなデンマークのスープです。
このスープをいただいて会が終了するはずだったのですが、帰る人はほんの少し。年金生活の皆さんも多く、時間がたっぷりあるのでしょうか(?)永久に会話を楽しみます。
そんなわけで解散したのは18時過ぎ。12時から始まって、約6時間にもわたる誕生日パーティーとなりました。
しかし。これで終わりではありませんでした。笑。
解散後、親戚の1部を自宅に招待して3次会。お菓子を食べつつ、引き続きティータイム。すべてが終了したのは21~22時頃。つまり、約10時間にわたるお祝いとなったのです。
いやぁ。凄いですね...。
10年毎の誕生日パーティーというのがデンマーク人にとってどんなに大切なものなのか、よくよく肌で感じられた1日となりました。
でも、こうやって、10年毎の節目に盛大なお祝いができるってステキです。人生がより華やかで楽しくなりそうな気がします^^♪
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