おしゃぶりの木(suttetræ)

公開日 : 2012年05月31日
最終更新 :
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「この~木、何の木、気になる木~」という歌をBGMに...。

皆さん、この木、何だと思いますか??デンマークの街や庭園を歩いていると、時々こんなふうにカラフルなものがぶら下がっている木に出くわします。

実は、この木、「おしゃぶりの木(suttetræ)」と呼ばれる木。ぶら下がっているのは、数々のおしゃぶりです。

今回は「おしゃぶりの木」についてご紹介させていただきます^^

よくよく見てください。近づいてみると、そこには生々しい(?)おしゃぶりが大量にぶら下がってます。ぬいぐるみも一緒につるされていたり、ビニール袋に入っていたり、紐でつなげられていたり、飾り方はイロイロです。遠めで見るとクリスマスツリーや七夕を連想させてくれますが、「おしゃぶり=口で吸う物」なので、決して綺麗な感じはしません...。笑。

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更によく見ると、絵やメッセージが書かれていたり、子どもの写真が飾られていたりします。

メッセージを読むと「サヨナラ、おしゃぶり。3歳。」(左写真)、「こんにちは、おしゃぶりの木さん。私は大きな女の子になりました。だから、もうおしゃぶりは使いません。これからは、おしゃぶりの木が私のおしゃぶりのお世話をしてくれます。2歳半。」(右写真)また、「おしゃぶりさん、今までありがとう!」という御礼のメッセージも多くあります。

...そうなのです。これは、おしゃぶり卒業の誓いなのです。ま、メッセージを書いているのは親ですが。

大量のおしゃぶりとメッセージを眺めていると、子ども達のおしゃぶりへの愛着、親の我が子の成長を願う気持ちが伝わってきます。

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デンマークでは、おしゃぶりをしている乳幼児をよく見かけます。ベビーカーから顔を出している子も、歩いている子も、みんなおしゃぶりを口にくわえています。もちろん、おしゃぶりをくわえさせない親もいますが、たいていの親は、多様な種類のおしゃぶりから子どもが気に入るおしゃぶりを選定して我が子にくわえさせるようです。

が...始めるのは簡単でも、1度クセになったおしゃぶりを止めさせるのは至難の業です。そこで、活躍するのが、おしゃぶりの木。「もう大きくなったから、おしゃぶりは卒業よ。ほら、他の子もみんなこの木に掛けて、おしゃぶりを卒業しているでしょ。」と、親は木に掛かっている他の子のおしゃぶりを見せます。そして、今まで使っていたおしゃぶりを全部まとめて木に掛けて、ちょっと大人になった我が子のおしゃぶり卒業の儀式を行うのです。子どもにとって悲しい別れじゃなくて、「もう僕は(私は)大きくなったんだ!」と思えるような明るい儀式。しかも、他の子も卒業しているということを実際に見せられるのがミソです。なかなか良い戦略だと思いませんか?

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おしゃぶりの木の傍に立っていると、子ども連れの親がたくさんやって来ます。散歩ついでに子どもに木を見せて「大きくなったら、おしゃぶりをこの木に掛けて卒業しましょうね」とさりげなく説明。なるほど。そうすることで、子どもは自分もいつか大きくなったら、この木におしゃぶりを預けて卒業するんだと自然に思えるようになるというわけです。

デンマークの子育て習慣を垣間見れるおしゃぶりの木、観光スポットとしてもなかなか面白いと思いますよ!

この写真はフレデリクスベア庭園の木ですが、他にもたくさんあります。探してみるのも面白いかもしれません^^♪

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