〜インド 電車の旅〜 どのクラスに乗る??

公開日 : 2007年08月31日
最終更新 :
筆者 : 冬野 花

インドはでかい!なにしろ、国土が日本の10倍ありますから。

しかしそのデカさ、実際には「日本の数十倍ある」という事もできるでしょう。

なぜって、優れた移動手段がない為(飛行機を除く)、どこに行くにも非常に時間と労力を必要とするからです。

バスといっても日本の高速バスのような快適なバスを想像してはいけません。時には半分傾いた信じがたいボロバスで、揺れる度に舌を噛まないように気をつけつつ、トランポリンで飛んでいるかのように飛びながら座席になんとかしがみついて・・・という思いをする事すら多々あります。そしてバスでの移動は、特定のツアー専用バスなどではない限りは、目的地へ着くまでに苦痛なほど時間がかかります。

じゃぁ、電車は?

インドで電車の旅。これはインド旅行、特にバックパック旅行となるともはや、定番中の定番。1か月も放浪すれば、皆、電車の乗り方の達人になる程です。

インド全土を網羅する電車路線の総距離はなんと世界一。インドは電車大国なのです。まぁ、国土が広いし人口だってダントツ多いですからね・・。

ですが、いくら「電車大国」だからといって、快適だとか、スムーズというわけではありません。スピードもせいぜい日本の中央線くらいですから、どこへ行くにも15時間、20時間、30時間がザラ。時には、3泊4日かかる事すらあります。

そのため、インド全土を相手に旅行するにあたっては、電車泊に慣れる事が必然です。

ちなみに、在住前に2度、延べ100日に及ぶインド一人旅を経験済みの私ですが、今までの電車泊数はなんと56泊!(在住後もけっこうあちらこちら行っていますので)。もう飽きました(笑)。

ところで、インドの長距離電車ってどんな感じでしょう?

インドの長距離電車にはたくさんのクラス分けがあります。全部で5〜9種類あると言われていますが、陸路で個人旅行をする上でよく関わるのは、そのうち3種類程度かと思われます。

・セカンドクラス

・スリーパークラス

・AC3クラス

●まず「セカンドクラス」

これは、筋金入りバックパッカーが好むクラスで、「何が何でも安く行きたい」、「庶民中の庶民に混じってギュウギュウ詰めになるような体験こそがしたい」という人が乗ります。

セカンドクラスは一番安い席で、どんなに長い距離を走ろうが、車中で何泊もしなければならなかろうが、寝台などはありません。それどころか、木の堅いイスと、定員を遥かに超える汗臭い下層のインド人達、うず高く詰まれる野菜、時にはヤギなどに、モミクチャにされる事も楽しめるようでなければツライでしょう。もちろん、窓にガラスなどありません。床はゴミだらけです。夏場の暑さと、車内の「メチャクチャ」さ加減は筆舌に尽くしがたいです。

●次は「スリーパークラス」

これは、寝台付きですが、寝台付き車両の中では最も低いクラスです。やはり庶民がごった返し、なぜだか必ず、チケットを持っていない人がまぎれ込み、常に混乱しています。寝台は縦に3段。ですが、窓にガラスはなく、埃がそのまま入ってきます。冬は寒く、夏はそうとう暑いでしょう。また、単に寝台があるだけので、自分でシーツなどを持ってこなければ、汚いシートに寝っころがるだけとなります。盗難が多いのが難点ですが、これよりいいクラスのシートが満席の場合にはしょうがなく、この「スリーパークラス」で妥協する事になりがちです。

●そして「AC3クラス」

これは”エアコン&窓ガラス付き”の車両上位3クラスの中で、一番安い車両です。「ボロボロになってまで旅行するのはちょっと・・・」という人や、「今日は30時間乗るからちょっと休憩をかねてよく眠ろう」という個人旅行者が最もよく利用します。寝台は縦に3段で、その点はスリーパークラスと同じ。そのかわり窓もちゃんとあり、エアコン付きです。客層もそれなりに落ち着いたインド人で閉められ、「ゴッタ返した感じ」はあまりなく、盗難率も低くなります。また、清潔なシーツ2枚、毛布、枕のサービスがあるので、夜はなかなか安眠する事が可能です。

安い順にざっと、あげるとこんな感じです。ちなみに「AC3」より値段の高い車両は「AC2」と「ファーストクラス」ですが、「ファーストクラス」は飛行機の国内線とほぼ同じ値段ですから、旅行者でわざわざ乗る人はあまりいません。それなら飛行機に乗るでしょう。「AC2]は寝台が縦2段でスペースに余裕があり、個別カーテンつきでプライベート確保もできるのですが、やはり旅行者としては「まぁそこまではいらないや。そんなにお金ないからAC3でいい、オレ」というパターンであまり使われません。

これからインド個人旅行を企画中の方、自分の状況に合わせてどのクラスに乗るかを選ぶといいですね。(本当は、全種類体験するのも面白いですよ)

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。