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インド/デリー特派員ブログ 旧特派員 冬野 花

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2007年8月25日

インド人と映画


インド人と映画

ここ数日で、読者の方から立て続けに2件、インドの映画事情についての質問がありました。

年間の映画制作数世界一のインドですが、その中心はムンバイ(旧ボンベイ)。なので、ハリウッドとボンベイをもじって、「ボリウッド」などと呼ばれています。

インドでは、「映画」というものは、芸術でもなければ「目で見る小説」でもなく、何かメッセージを込めるようなものでもなく、大多数を占める庶民の「娯楽」でした。少なくとも長い間、大半がそうでした。

その結果、ボリウッド映画は、ほとんどが「歌って踊る」、騒がしく、話はステレオタイプの勧善懲悪系、主人公に襲いかかる不幸は大げさで、アクションも派手、コメディならばひどく幼稚なドタバタが大変で、しかもやたら長い(3時間)ものが多いですが、最近はいろんな意味で、いろいろなタイプの”国際レベルな作品”もポツポツ出たりしています。


ところで、読者の方からの質問に「インド人はボリウッド映画しか見ないんですか?」というのがありました。

答えは・・・・。

イェスとも言えるし、ノーとも言えます。

インドというのは、とにかく、貧富や階級の差が激しい国。教育、身分、経済、暮らし、人々の知識、etc、どの面を見ても「天と地の差」といっても決して過言ではない隔たりがバッチリ横たわっています。

だから「インド人って〜です」という説明は、実は不可能。

ですが、あえて「インド人って、ボリウッド映画以外見ないのでしょうか?」という質問に答えるために、無理矢理、強引にインド人を2つに大別してみましょう。

英語で高等教育を受けるレベルの家庭に生まれたか、否か。

これです。

ちなみにインドでは、ある程度以上の家庭に生まれた子供達が行くような学校は、最初から授業は英語で行われます。この割合、一概には言えませんがたぶん、人口の2割程いるかいないか。

「インド人はみな、英語がネイティブのようにしゃべれるから」という、よく聞く話に当てはまるもの、実はこのほんの一握りのインド人のみの話。

その他の大半のインド人は「英語」とは無関係に暮らしていますが、彼らは「外国」とか「国際」とも無関係な為、普通はその存在は外からは気にされません(観光業に携わる人々は例外)。

ですので、一般的に「インド人ってさー」という話がなされる場合も、

英語で高等教育を受けるレベルの家庭に生まれたか、もしくはそうではない大勢の庶民及びもっと貧しく身分の低い人々、のどちからのタイプだけを言っている事が多いのです。

さて、映画の話ですが、

英語で教育を受けたような豊かで、ハイカーストの一握りのインド人はもちろん外国映画も見ます。そこらへんは日本となんら変わりなく、普通の事です。英語新聞(彼らは普通、英語新聞を読む)の芸能欄もボリウッドよりももしろハリウッドの話題が多いんじゃないか?って程です。

しかし、そうでない大半のインド人は外国映画は見ません。

ですが、先にも述べたように、一般に「インド人ってさー」と言う話になる場合は、「英語で教育を受けたような豊かで、ハイカーストのインド人」=外国人と接する機会のあるインド人、だけをさす場合も多く、その場合は

「大半のインド人は外国映画も見ます」とも言えるでしょう。


ですが、どんな外国映画?となると、

ほぼハリウッド映画だけです。しかも、ある程度ヒットしたような作品だけ。そのようなハリウッド映画なら、全国の主要なお金持ち系映画館でなら、いつも上映しており、日本同様に気軽に見れますし、皆、見に来ます。

ハリポタとか、パイレーツカリビアンとか、スパイダーマンなど、子供向けもしくは、娯楽作品がほとんどです。やはりハリウッド映画であっても話題作や娯楽作品以外は、需要がないようです。

(※「お金持ち映画館」というのは、ここ数年で全国の都市部にたくさん出来たきれいなシネマコンプレックス。その他の従来の映画館の一番高い席の2.5倍〜3倍の値段がします)


その他の国の映画や小作品は、インドで見るのはほぼ不可能。インドにいる限りは、日本映画やヨーロッパ映画なんて、この世に存在もしていないかのような感じすらします。

外国映画を見るようなインド人の中の、更にほんっの一握りの人だけがわずかにハリウッド映画以外の外国映画についても関心がある程度です。


※例外的に、ハリウッド作品ですごくヒットしたもの、もしくは子供向けのものは、ヒンディー語に葺き替えられて上映、もしくはヒンディー語吹き変え版のDVDが出回ったりします。

その場合、題名も変える場合が多く例えばブラピとアンジェリーナのの「Mr&Mrs.Smith」は「Mr&Mrs.Sharma」でした。

Sharma(シャルマ)というのは、インドに多い姓。たとえるなら、日本語吹き替えバージョンを作るにあたって題名を「Mr&Mrs 鈴木」にしてしまうようなものでしょうか。ちょっと可笑しかったです。

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カテゴリー エンターテイメント・音楽・ショー
2007年8月25日
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