近くて遠いグルガオン

公開日 : 2008年02月22日
最終更新 :
筆者 : 冬野 花

デリー郊外の新興エリア、グルガオン。

ほんの10年ほど前まではただの野っぱらだった場所ですが、今では、きれいなビルや高級高層マンションが立ち並ぶエリアです。

ちょっと前にこのあたりの土地を買っておけば、今ごろは億万長者になっているはずだとか・・。

このエリアはデリーとは目と鼻の先で、東京で言えば23区と武蔵野市や三鷹市みたいなもんなのですが、行くのはたーいへん。

まず、庶民の足オートリキシャでは行けません。

なぜならば、オートリキシャは基本的にはデリーのボーダーを超えてはいけないそうで。

つまり、たとえ近くともデリーではなくハリヤナ州に属すグルガオンまでは、オートリキシャは行ってくれないのです。

無理矢理ボーダーまで行かせ、そこで別のオートリキシャに乗り換えるという手立てもあるのですが、それもなかなかスムーズには行きません。

だから「近いはずのグルガオン」も、自家用車もしくはバイクでもない限りは、「よほどのことがない限り、行かない場所」です。

でも、グルガオンは多くの企業のオフィスが集中しています。

外国企業もほとんどがグルガオンかノイダ(もうひとつの新興エリア)に集まっています。

ですから、デリーに家があってグルガオンに会社がある人は当然、グルガオンに毎日通勤しなければなりません。

これがまた大変。

gur.jpg

なにしろ、その渋滞といったら常軌を逸しているからです。

特に朝晩。

もしも道が空いていたら、車で20分かからないはずのグルガオンなんですが、なんと90分〜120分かかるという有様。

しかも、その間に鼻の穴は真っ黒!

顔もススでひどい事になります。

だから、デリーからグルガオンに通勤しなければならない人は、バカバカしいことに2時間前に家を出たりしています。

私もデリーでちょっと仕事を探した事があるのですが、「グルガオンやノイダになら仕事はあるんだけれど」と言われてばかりで、さっさとあきらめましたよ。

渋滞に巻き込まれてススだらけになりながら2時間かけて通勤なんていう生活するんだったら、まだなんでも揃っている東京での通勤列車のほうがマシ。

なんで、インドにまで来てそんなことしなきゃならないわけ?と思ったからです。

でも、インド人というのは、親の持ち家」に住んでいる人も多く、また、簡単に家を手放して新しい家を買ったりしません。身軽ではないんです。

だから、「じゃぁグルガオンに住もう」と簡単には思わないらしく、ひたすら通っている人がたくさんいます。

また、出張で日本から来て、デリーやグルガオンを行き来する方も、移動にはかなり時間をとっています。

やはり、渋滞に巻き込まれたらいつ着くか分からないですし、なにしろインドというのは、

「何かあるかもしれないからと思って用意万端で行くと何事もなく、いとも簡単に用事が済むけれども、まぁ大丈夫だろうと思ってタカをくくっていると、何もスムーズに行かず、ひどい目に会う国」

です・・。

また、在住日本人は最近は会社のあるグルガオンに住む人がとても多いのですが、会社がグルガオンにありつつもデリーに住む人もやはり少なくはありません。

日本人学校がデリーにあるので、家族を連れて来ている人としては、そちらも優先しなければならないようです。

つい最近は、とうとう待ち望まれていた「デリー グルガオン エクスプレスウェイ」というハイウェイが出来たんですが・・・・

なんと、32レーンもある料金所に長蛇の列で、結局グルガオンまで1時間半かかるとか・・・。

・・・・・・・・アホくさい。

日本も高度経済成長のころ、そうだったのだろうけれど、突然溢れかえった車や突然豊かになった人々の受け皿が追いつかず、移動ひとつとっても一苦労のデリー周辺です。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。