インドの中のチベット文化圏:スピティ

公開日 : 2008年04月19日
最終更新 :
筆者 : 冬野 花

チベット本来の文化は、今となってはむしろ、インドに残っていると言われているのを知っていますか?

インドの北部に横たわるヒマラヤ山脈の辺境地帯には、千年以上も前から、チベット文化が息づいているのです。つまり、チベット文化圏はラサを中心として広がっており、大部分のエリアは現在、中国の領土になってしまっていますが、エリアの西の端っこだった部分は現在、インド領なのです。このインド領に属するエリアのチベット文化は、1950年から始まった中国による侵略以前に、すでにインド領に併合されていたため、中国による破壊と弾圧を逃れたのです。

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ひとつは、ダラックというエリア。ラダックは「小チベット」とも呼ばれ、西洋人観光客を中心に「秘境を垣間見れる場所」「チベット文化圏にひたれる場所」として人気の土地です。けっこう海外における知名度が高いので、マイナーな旅行先の中ではメジャーといえます。ラダックでは、町ゆく人がマニ車や数珠を持って歩き、チベット仏教が生活の隅々にまで、根付いている様子をうかがうことができます。

そして、もうひとつのエリアは、ラダックよりやや南東に位置するスピティと言われるエリアです。こちらは、ラダックよりは海外における知名度は低いのですが、そのぶん、そのピュアな魅力は他に追随を許しません。6千メートル級の山々が織り成す圧倒的な大自然、この上なく清い山からの風、はるか遠くまで見渡せる青すぎる空、寺院のかすかな鐘の音、そしてそこに根付くチベット文化。あるのはそれだけだが、魂の奥まで震えるような感動を得られる場所です。

これらエリアにいる人々は、現在インドに10万人いると言われる亡命チベット人とは違うものです。けれども、レストランやホテルには、必ずといっていいほど本土ラサのポタラ宮の特大の写真とダライラマ14世の写真が飾られ、人々の心はチベットのものなのだということが実感できます。

※写真は2つともスピティです。

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