スラムツアー1

公開日 : 2013年03月21日
最終更新 :
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「スラムは大きな夢と支えるべき家族を抱えて都市へ出て来た村人によって作られました。出て来たはいいけれど、都市の家賃は高すぎてまかないきれませんでした。住む場所に困った彼らはプラスチックやトタン材などのがらくたで小屋を作って、都市部の片隅に非公式な居住区を出現させました。

ムンバイ、デリーのスラムは決して絶望やあきらめの場所ではありません。希望は常にそこにあるのです」

とは映画が大ヒットした「スラムドッグ&ミリオネア」の原作者(スワラッブ氏)の説明です。

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全インドの4億人もの人たちが貧困層と言われています。

農村部分では4億のうち75%以上の貧困層が暮らしています。

いくら中産階級の人たちがどんどん出て来ているといっても、まだ政府が援助したり支援をしたりするところにまでいきません。

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車でデリー市内を走っていて、どうしても目にするのが赤信号で停まった車の窓ガラスを叩いては物乞いする子どもたちや、その親たち。

中には太鼓を叩いてお金をもらいに来る子や、窓をサッと一拭きしてお金をせびる子どももいます。

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前から参加したかった「スラム街ツアー」一人500ルピーで(約850円)スラム街に住む人のガイドで2時間ほど歩き、その子どもたちや人々の暮らしぶりを体験してくださいというツアーなのです。

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収益は新しくスラム街の子どもたちのための学校を建てるための資金やら、薬、石けん購入などに回すということです。NGOの団体がやっています。

スラム街とはいっても、中にはTVはあり、電気も停電は日常茶飯事でしょうが、通っていました。おんぼろの洗濯機も数件でシェアをしている所も見かけました。しかし、一足踏み入れたそこは、人糞の匂いや尿の匂い、さらに、料理用の石炭の匂いで充満していました。ガスなんてないので、煮炊きは石炭を細かく削いだものや、木の枝をかき集めたようなモノを利用していました。小さな箱のようなコンクリートで出来た4畳半くらいの部屋に14人も15人もの大家族が住んでいるのです。

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中には、歩いて学校へ行く子どもたちもいました。その学校へ行けるような子どもたちはまだワンランク上の家庭で、普通は行けないので中庭を解放して、午前中に女の先生が来ては「寺子屋式」に教育をしているそうです。

様々な年齢の子どもたちを教えているらしいです。そこそこに英語が話せる子もいました。そして特筆すべきことは、ケララ州でもペン、ペンがほしいよーとわめいていた(?)子どもに比べてみんなデリーのスラム街の子どもたちは、人に集ったりしないということです。きっとこのツアーの最後には収益金が入るからと言聞かせられているからでしょうか?

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ただ「一緒に踊ろうよ、歌おうよ。ボクの、ワタシの家に来て!」

と袖を引っ張るのです。握手を求めてみんなポーズをしてはカメラに収まりたくて大変な騒ぎ。

可愛い10歳未満の子どもたちは、みんなで協力して近所のもっと小さな子どもたちの面倒を見るし、仲がよさそうに見えました。よく観察していると、グループがあり、嫌いな子どもの写真は撮ってはダメと厳しく言う女の子もいます。その女の子はたくさんポーズをつけて自分だけ撮ってもらいたがっていました。

続く

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