ターバン姿のピアノチューナー

公開日 : 2013年05月23日
最終更新 :
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 デリー広しといえども、ピアノの調律、調整する人がたった二人しかいないという噂は信じられません。実際日本や欧米のように至る場所でクラシックのピアノリサイタルや協奏曲の夕べを施しているわけではないので仕方がないのでしょうが。

 最近またレンタルピアノの調子が悪いので叔父とその甥が連結プレイをしている調律師へ電話をして、弾いた鍵盤があがって来ない事を伝えました。そして音が狂うため耳のよいであろう(?)若い甥の方を指定しました。ところが、おじさんのほうこそコンサートホールでも調律をまかされている偉い人なんだそうです。

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 意に反してやって来たのは実に女性の持つようなぺったんこの鞄1個で例のお偉いおじさんの方だったのです。ま、ここはインドだ。来てくれただけマシかい?とあきらめでピアノをみてもらいました。大体調律師は大工道具も入れているので20㌔に近い手荷物で来るのです。

それが、どう間違ってかこのお軽そうなバッグ?調律し終わっても高音が狂っていたり、一回でお帰りされたことがないくらい、こと調律にはクレーマーに変身する私。

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 自分の家のあるウィーンにベーゼンドルファーのグランドがあるから、よほどスペースの広いデリーに運送させようかと思いました。だけど楽器に大敵な湿度と、常につけているエアコンを考えてやめました。つややかな音色が失われるから、絶対に日本にすら持って行こうと考えたらいけませんよ!と在日オーストリア大使館員から強く言われたことがあります。大好きなチェンバロはもってのほかです。ここでグランドを弾けたら気持ちがいいでしょう。

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 調律師曰く、虫がハンマーのところのフェルトと鍵盤のところのフェルト部分を喰いちぎったらしく、たった1個の鍵盤の裏に3匹の不気味な丸っこい虫がはりついていました。即、虫よけスプレーをしました。だから調律をしても音は狂い、鍵盤が一旦おりたら上がって来なかったらしいのです。

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 レンタルの期限は6月までですが、「音色が気に入らない」という理由で返して、ぜひ我がピアノショールームでいいピアノを選んでくださいと、手書きでアドレスを書いてくれました。へえ〜 このおじさんピアノショールームなんて持っているの?ほほう、ビジネスにたけているのですな?

 ドイツのピアノもあるでよ。とは言うものの、中国や韓国製だったりして。

シューマンSchumann シュタイナーB.Steinerなんていかにもジャーマン風の名前だけど、実際はシューマンが中国製。シュタイナーは韓国製。プロの目は名前だけではごまかされませんよ。と心中思いつつもありがたくアドレスをいただきました。

 レンタルだからよかったけれど、宝物であるベーゼンドルファーが虫に喰われた暁は大変。さあ、これからいかにレンタルピアノやとの返品云々でもめるかこの続きはまた今度!

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