インドへの理解が深まる!おすすめインド本3冊

公開日 : 2016年06月21日
最終更新 :
筆者 : nok

インドへの注目度が上がるにつれて、インドを題材にする本の数も増えています。ビジネスのノウハウ本、ガイドブック、バックパッカー旅行記など、ジャンルもさまざまですが、個人的におすすめしたいインド本3冊を紹介したいと思います。

1冊目:「インドクリスタル」(篠田節子著・角川書店・2014)

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圧巻の小説。緻密で手抜きの一切ないストーリー。この作家でないと書けない本だなと思わされます。恋愛の要素もミステリーの要素もほぼないのに、深くひきつけられます。主人公・藤岡の姿を通して、日本企業がインド進出をはかる上での現地の人たちと折り合いのつけ方、「インドスタイル」への適応と戸惑い、グローバリゼーションの裏側などについて考えさせられます。ビジネス小説というだけではなく、ロサという少女との緊迫感あふれる交流も描かれていて、ヒューマンドラマ的な面もあります。余韻も心地良い一冊です。

↓角川書店の特設サイト。この中の取材記も興味深いです。

2冊目:「すごいインド なぜグローバル人材が輩出するのか」(サンジーヴ・スィンハ著・新潮新書・2014)

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インドの田舎出身、国内最高峰のIIT(インド工科大学)を卒業し、日本で起業したコンサルタントによる現代インドの考察本。インド人にとっては当たり前のことで日本人が気になることが、説得力を持って説明されていて、「へぇ」の連続です。「古いインド」と「新しいインド」の概念は、さすが!というわかりやすさです。知恵を働かせて貧しい暮らしを補おうとする「ジュガール」の発想や、インドは「モノ」を動かすのは大変だが「情報」は動くという点も、インドを知る上で押さえておきたいポイントです。

3冊目:「インド日記 牛とコンピュータの国から」(小熊英二著・新曜社・2000)

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国際交流基金の専門家派遣事業で、2000年の2か月間、デリーで暮らした社会学者の日記。まず、15年以上前に書かれたものであることに驚きます。なぜなら今、私が見聞きするインドと合致する部分が非常に多いからです。「急速に発展している」ともてはやされるインドですが、物価の上昇を除き、10年~20年ではこの巨大な国はそう簡単には変わらないのではないかと考えさせられます。日記という性質ゆえ、近著「生きて帰ってきた男」(岩波新書)のような一貫性というのはありませんが、圧倒的な行動力と好奇心、インド人との徹底的な議論で解を得ようという姿勢に感服します。

以上、おすすめインド本の紹介でした。また「これ!」というものが見つかったら取り上げたいと思います。

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