インド新紙幣2000ルピーと新デザインの500ルピーを発表!(最新情報追記していきます)

公開日 : 2016年11月09日
最終更新 :

昨夜インドでは歴史的な大改革があったので、予定の記事を延期して書いています。

インド政府のナレンドラ・モディ首相が、11月8日現地時間の夜8時ごろ、GPSチップ埋め込みの新紙幣2000ルピー札(日本円で約3200円)と新デザイン500ルピー札(日本円で約800円)の発行を発表しました。そして発表からわずか4時間の当日0時には現行の最も高額な紙幣である1000ルピー(日本円で約1600円)と二番目の高額紙幣である500ルピー(日本円で約800円)が使用停止になると発表されました。今回の改革は、汚職・ブラックマネー・テロ対策の一環であります。インドルピーは国外持ち出し禁止なのですが、テロリストが現金を国外へ持ち出していると判断されたためです。

本日11月9日(一部地域では11月10日まで)は銀行・ATMが全て閉鎖されるので、実際使用できるのは、今手持ちの小額紙幣100ルピー・50ルピー・10ルピーそして硬貨2ルピー・1ルピー・パイサのみになります。また11月10日以降には新紙幣200ルピー(日本円で約400円)と新硬貨が発表になるようなので、要は今手持ちの現行インドルピーが全て使用できなくなる可能性があります。現行の紙幣は、2016年12月30日までに銀行や郵便局で新紙幣と交換が必要です。交換のためにはAadhaar(国民個人番号)カード, PAN (税金納税者)カードもしくは voter ID(選挙投票権)カードが必要になります。紙幣の交換をしない場合には2017年3月31日までに指定の銀行口座へ預け入れが可能です。ただし、政府の病院や空港では例外です。政府の病院では8日夜から72時間は現行紙幣を受け付けます。

これによりダラムサラに数多く住む亡命チベット人も多大な影響を受けると思われます。冬季に彼らが各都市で行うセータービジネス(セーターの販売)や、彼らのビジネスほとんどが現金商売であるためです。新紙幣が潤沢に出回れば良いですが、慢性的に紙幣や硬貨が不足しているインドで露店商売の彼らに十分な現金が行き渡るでしょうか。先日はデリーにあるセータービジネスの拠点が大規模な火災で全店舗の商品や現金が全部燃えてしまったばかりです。稼ぎ時のセータービジネス商にとっては頭の痛い出来事になりそうです。

また年末年始にかけてのこの時期はインドに世界各地から大量の観光客が押し寄せる時期でもあるので、さらに紙幣硬貨が潤沢に必要となります。インドでは段階的な移行というのはかえって混乱を招くので難しく0か100か。もしくはやるなら今から、というわかりやすさが必要なのでこの衝撃発表も理解できます。インド観光にいらっしゃる皆様は、偽札や旧札をつかまされることのないようにぜひとも新紙幣デザインの確認をお願いいたします。またキャッシュカードやATMカードを複数持つなど、支払いの手段を数多く用意しておくことをおすすめします。

>以上11月9日現地時間朝6時執筆。追加情報あれば追記します。

参考記事

http://www.thehindu.com/news/national/live-narendra-modis-address-to-nation/article9320548.ece

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