オランダ式、皆で若者の前途応援!

公開日 : 2015年08月21日
最終更新 :

こんにちは!

今日はちょっとオランダの2つの慣習についてご紹介します。

日本では年々少子化が問題となっていますよね。オランダでも戦後のベービーブームに比べれば子供の数は確実に減ってきているものの、日本ほど深刻ではありません。子供3人という家庭はたくさんあり、4人というところもあります。さすがに私の隣のおばあさんが<うちの嫁、今5人目を妊娠中よ~>と言った時は<すっげ~!!!マジ??>と、むしろよく頑張るなぁ~と尊敬の念を覚えました。

そんなオランダ、子供が生まれた際に行う事、それはこれです。

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オランダではこれをBaby Boord(ベイビーボード)といいます。ここに書かれているのは生まれた赤ちゃんの名前。<ダニーシャ>ちゃんという女の子らしいです。なぜ女の子と分かるのかというと名前を書いている板の部分がピンク色だからです。女の子の場合はピンク、男の子の場合はブルーというのが暗黙の了解です。

このベイビーボードは出産後約半年ほど家の玄関前に飾ります。家の中から窓越しに飾る人達もいます。コウノトリが赤ちゃんを運んでいるベイビーボードもあれはくまのプーさんのお腹の部分にブルーもしくはピンクのペンキで名前を書いたりなど、本当に様々なベイビーボードがあります。

次のご紹介するのはこれです。

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これは6月下旬から9月初旬にかけてよく見られる光景です。オランダ国旗と一緒に学生の通学バッグや本人が使用したノートが家の正面に架けられています。これが意味すること、それは<僕(私)、卒業試験に合格したよ~!>ということです。オランダでは小学校が終わると次のステップはMiddel bareschool(ミドルバースクール)という、中高一貫学校です。中高一貫と言っても日本のように私立校ではなく公立校です。

この学校を卒業するには規定された成績を取り、プラス卒業試験という別途試験の合格が条件となります。よってこの試験に合格しなければいつまでも落第、留年することになります。私の知り合いの娘さんは、他の科目はすべて合格点を取ったにもかかわらず、フランス語の点数が合格点を満たしていなかったという理由でもう一年通学したそうです。この卒業試験は毎年5月中旬に行われ6月に結果発表となります。合格した場合、この写真のように通学バッグやノートをオランダ国旗と一緒に家の前に掲げ、<合格だぜ~!>と喜びを表します。

日本にはないこの慣習、とても面白いなぁ~と思います。またこの2つの慣習の良い点はご近所付き合いを生む点です。

例えば、私も2人の子供が生まれた際にベイビーボードを家の前に立てました。すると日頃あまり付き合いがない同じ通りに住む隣人からもお祝いカードが家のポストに投函されたり、たまたま前庭を掃除していた際にも通りを歩いている人から<子供が生まれたの?素敵な名前を付けたね~!>という会話が始まりました。そこから近所に知り合いができたりします。

ご近所みんなで子供達の成長をお祝いする、みんなで子供を育てるという慣習はほんの一昔までは当たり前だったのに最近ではみんなが自分の生活に一生懸命で人のことは関係ないという社会になってきていると思う私には、とても心温まる、ありがたい慣習です。

オランダをご旅行の方も、もしこのようなものを道で目にされた場合は<子供が生まれたのか~><学校を卒業できたのか~>と、違う視点でご旅行を楽しむことが出来るのではないでしょうか?

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