市民の憩いの場、オランダの図書館!

公開日 : 2018年03月02日
最終更新 :

とっても寒いオランダからこんにちは!今週はロシアからの寒波でとてつもなく寒い一週間を過ごしております。手袋が本来の役割を果たしていません。サドルのない自転車と同じです!!数日前完全防備で自転車に乗ったにも関わらず、手袋を外した私の指先は紫色になりかけていました。ここは北極かっ!!夜中の気温はマイナス10℃。体感気温はマイナス20℃!(この10度の差は何っ!?)

木曜日(3月1日)の夜にはマイナス20℃まで気温が下がると言われています。てことは体感気温は・・・・お、おそろしい・・・オランダは風が頻繁に吹いているため、気温と体感温度が違う場合がほとんどです。よって気温マイナス20℃といっても、体感温度はもっと低いと思ってください。個人的には冬用帽子なしで外に出ると頭がカキーン!!!と凍ってしまいそうです。その頭でレンガの壁なんかぶち破れそうです!!

観光客の方は防寒対策を十分に行ってくださいね!!

さて、今日はオランダの小学校に関する慣習の一つをご紹介します。

オランダに移住してきたお子さんがいらっしゃる日本人の方が、オランダの小学校と日本の小学校の校内を比べて全く違うものは?と聞かれてまず思いつくのはおそらくこれらです。↓

①図書館がない!!! ②プールがない!!!③体育館がない!!④理科室がない!!⑤音楽室がない!!

とまあ、無い物探しのゲームをしているような気になってしまうほど、日本の小学校に比べたら質素なものです。

どれも日本の小学校なら当然の様に設置されているものではないでしょうか?こうしてみると、日本の小学校の設備は本当に恵まれています。ありがたき幸せものです!

この中で子供達の知能発達に欠かせない読書と関係する図書館、今回はこの図書館についてご紹介します。

前述したように各小学校に図書館がないため、オランダの市町村にはどんなに小さなところにも市立図書館があります。私の町の図書館はこちら。

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Bibliotheek(ビブリオテーク)というのはオランダ語で<図書館>。

大抵の場合、皆が利用しやすいように町の中心にあります。18歳以下は無料で貸し出しカードを作ることが出来ます。

中の様子はこんな感じ。

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この図書館では大人、子供への本の貸出業務の他にも、外国人用にオランダ人ボランティアの方達によっての語学教室やその他の趣味・娯楽教室があったり、また税金の確定申告の時期にはどのような手続きをすればよいかなど質問受付コーナーなどもあります。

日本では図書館イコール静かな場所と考える方が多いかもしれませんが、オランダはそんなルールはないっ!!!!市民の憩いの場所となっているため、おしゃべりしようが飲食しようが注意されることはありません。その証拠にこのようにコーヒーメーカーも設置されています。(しかし一杯50セントなり!そう甘くはない!笑)

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朝早く訪れると新聞を読みに来るお年寄りがたくさんいらっしゃいます。その顔見知りのコミュニティには入っていく余地がありません(笑)。

この町の市民図書館は他の3つの町の図書館と連携して、図書館同士で本の貸し借りも行います。例えば、私が読みたい本を誰かが借りていたりして館内にない場合はコンピューターで他の3つの図書館にあるかどうかを検索することが出来ます。他の図書館にある場合はその時点で予約でき、数日後にはメールで連絡が来ます。

このシステムはとっても便利です。

また図書館は市内の小学校とも連携しており、小学校に置かれている本はここの図書館からの本です。例えばオランダの小学校の低学年では、数か月ごとに<テーマ>を決めて授業が行われており、例えば<動物>がテーマの場合は動物に関する本を貸してくれるように学校から図書館に頼み、図書館がそれを準備してくれるという感じです。

授業で図書館の本が使用されることも度々あります。

この慣習、おそらく市内に大きな図書館があれば各小学校に置くのは費用の無駄というとてつもなくオランダ式の実用的な考えっぽいんですが、実は図書館へ行ったことがない子供達が増えるという問題点も含まれています。

現在オランダでは本を読む子供が極端に減ってきているという報告が教育機関によってなされました。原因はパソコンゲームやスマートフォンの普及、両親が忙しくて本を読んでやる時間がないなど様々です。小学校でも一年に一回の頻度で学校の時間帯に図書館を訪れる日を設けて、本の貸し出しは無料であることを伝えたり、本を読む楽しさを子供達に教えたり、低学年の子供達には読み聞かせをし、高学年になっていくにつれて読書の時間を設けたりと努力はしていますが、本を読むことが退屈という子供が増えてきているのは事実です。私も子供達と頻繁に図書館に通うようにしていますが、その際いつも思うのは館内に子供達が少ないということ。

わざわざ市内までくる必要があるため、小さい子供達は保護者が一緒でなくては来れない→保護者に時間がない→図書館に行かないという構図が成り立っているようです。

それを考えると、費用がかさむ点は否めませんが各小学校に図書館があった方が子供達が気軽にすぐ利用できるのではないかと思います。

日本のシステムとオランダのシステムの良さを併せ持った良いシステムができることを願うばかりです。

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