「世界最高級ワイン・ブルネッロ」の郷、モンタルチーノ村を訪ねて
皆さん、こんにちは!
六月もあっという間に末となり、ここへきてサハラ砂漠発の熱波を伴った高気圧の強い勢力の影響を
受け、猛暑に見舞われているイタリアです。私が住むトスカーナ州地方でも、今週末にかけ最高気温が
40度に達する酷暑になる見込み、というゾッとする予報が出ていますので、近々イタリア(特に北・中部)
を訪れる予定の方は、暑さ対策を万全にしてお越しくださいね。
さて、トスカーナ州はイタリアでも屈指のワイン生産地として有名ですが、過日、世界最高級ワインと
称えられるブルネッロワインの郷であるモンタルチーノ村を訪れる機会がありました。
フィレンツェの南にある中世の古都、シエナからローマへ続く古い街道・カッシア街道を約1時間南下
すると、前方に海抜 564m の山の頂に築かれた、レンガ造りの家々が寄り添うように建つ小さな集落の
姿を遠望できます。そこがまさにモンタルチーノ村。周辺は果てしなく続く丘陵地が広がり、雄大な
自然の風景が楽しめ、まさに絵葉書の世界のようです。夏になると、広大なひまわり畑が現れ、その
美しさは一度見たらきっと忘れられない光景となるでしょう。
また、村の領域の 15 % がブルネッロワインの主原料となる、サン・ジョヴェーゼ種のブドウを栽培する
畑が占めているという一大ワイン産地。モンタルチーノ村は、冬に降雪することが時にあるものの、
霧に覆われたり凍結することがなく、風がよく吹き抜けるため、ブドウの木の良好な成育に適した気候
に恵まれています。
また、村の中心には古い石造りのモニュメントや地元のブルネッロワイン専門店(エノテカ)が立ち並び、
テイスティングを楽しむことも可能です。またかつてシエナとの間で戦いがしばしば起きていた中世期に
シエナ軍により築かれた古い要塞(1361年)が今もなお当時のまま健在し、悠久の歴史を後世に伝えています。
モンタルチーノ村は、記録書によれば16世紀からすでにワイン造りが行われていたとのこと。そして
1800年代後半にFerruccio Bindi Santi氏が生み出した傑作ワインとしてブルネッロ ディ モンタルチーノ
ワインが初めて誕生したそうです。その当時作られたワイン5本がなんと今もなおBiondi Santiに大切に
保存されているとのことに驚くばかりです。そんな有名なワイナリーの他多くのワイナリーが存在する中、
「Abbadia Ardenga」ワイナリーのブルネッロワイン貯蔵施設を見学しました。
そのワイナリーは由緒あるワイナリーとして必見の価値があると言われているのですが、それは、長い時代
存在する中で、一時モンタルチーノの有力貴族であり、Pienza(ルネッサンス理想郷といわれる)のまちを
作ったローマ教皇Pio二世を輩出したPiccolomini家が所有したワイナリーなのです。
650ヘクタールに及ぶサンジョヴェーゼ種のブドウ畑を所有し、年間4万本生産しています。
ワイン貯蔵施設には、オーク木製の大きなワイン貯蔵樽がいくつかあり、その樽の中で最低5年間熟成されて
ようやく正式にブルネッロワインになるとのこと。ゆっくりじっくり時間をかけて深い味わいを持つ
極上のブルネッロワインが飲めることに感慨を覚えます。
大自然の風景を眺めつつ肌に風を感じ、グラスに注がれた一杯の本場の極上ワインを味わいに
ぜひ一度モンタルチーノ村を訪れてみてはいかがでしょうか。
イタリアの小さな村(ボルゴ)流の人生の楽しみ方をも満喫できることと思います。
< ツーリストインフォメーション>
●アクセス
1.「車の場合」
・フィレンツェとシエナを結ぶ高速道路でシエナまで行き、そこからカッシア街道を
南へ約1時間走行。
2. 「プルマン( Pulman) バス」の場合
・フィレンツェからシエナ行きのプルマン高速バスに乗り、シエナで下車。そこで乗り換え
モンタルチーノ行きの青色のプルマン( Pulman )バスに乗り約1時間。
3.「鉄道+プルマンバスの場合」
・フィレンツェから直通電車でシエナまで行き、シエナからモンタルチーノ行きの
青色プルマンに乗り約1時間。
● Abbadia Ardenga ワイナリー
住所 : Via Romana, 139
53024 Torrenieri, Montalcino( Si) Italia
メールアドレス : info@abbadiardengapoggio.it
サイト : www.abbadiardengapoggio.it
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