ビスコッティフィチオ・アントニオ・マッテイ・ムゼオ・ボッテーガ (フィレンツェ店)
暖かくなり、街路樹や公園にも花がたくさん咲き始め、春を感じます。
復活祭まであと3週間を切り、カフェテリアやパティスリーのウインドウには
キリスト復活のシンボルとなる『卵』型のチョコレートなどが飾られ、とても華やかです。
写真のこのお店のショーウィンドウもすっかり復活祭仕様。
このお店は、あるお菓子の「元祖」となった老舗菓子メーカー。
それは...フィレンツェでもお土産の一つによく買われる、カントゥッチと呼ばれている長めの半月型のお菓子。
アーモンドの入ったビスケットで、ヴィンサントというデザートワインに浸したり、
カッフェ・エスプレッソなどとともに食べたりとトスカーナではおやつの定番です。
このカントゥッチの発祥としては、アーモンドを入れないレシピで作られたものが、
すでに16世紀からあったのだとか。
19世紀にこのお菓子はフィレンツェ近郊のプラートで発展し、菓子職人のアントニオ・マッテイが今ある定番のレシピの元になったものを作りました。
アーモンドの入ったこのお菓子は、「ビスコッティ・ディ・プラート」として定番になります。
プラートの老舗メーカーが広めたこのお菓子は、カントゥッチと呼ばれて、フィレンツェをはじめ、
トスカーナ中で大人気に。
興味深いのは、その当初アントニオ・マッテイが「カントゥッチ・アッラニーチェ(アニスのビスケット)」という名前で作ったお菓子があり、当時砂糖が高価だったこともあり、
砂糖の代わりにアニス香料が使われていたのだとか。
現在では、一般にはカントゥッチ(サイズによってカントゥッチーニとも呼ばれます)は、アーモンドの入ったものを呼ぶようになりましたが、「アントニオ・マッテイ」のお店では、アーモンドが入った「ビスコッティ・ディ・プラート」の名を継続しています。面白いですね。
プラートの老舗メーカー「アントニオ・マッテイ」は、2018年にフィレンツェにもお店を出しました。
このフィレンツェのお店には「アントニオ・マッテイ」のムゼオ(ミュージアム)があり、歴史説明や道具などが展示されています。
商品パッケージもブルーを基調にとても美しく、洗練されたデザインです。
袋入りのたっぷり入ったものもいいですが、お洒落な缶入りのものを
お土産にするのもおすすめです。
緊迫した世界情勢が続いていますが、早く平和が訪れ、コロナの流行が落ち着いて日本からも自由な海外旅行が再開した際に、フィレンツェにお越しの時は、是非お店を立ち寄ってみてください。
Biscottificio Antonio Mattei Museo Bottega a Firenze
ビスコッティフィチオ・アントニオ・マッテイ・ムゼオ・ボッテーガ
(フィレンツェ店)
◼️住所: Via Porta Rossa, 76/r, 50123 Firenze FI
◼️URL: https://www.antoniomattei.it/it/home
筆者
イタリア特派員
白崎和恵
名古屋出身。フィレンツェ公認観光ガイド。芸術・歴史文化・グルメ情報、旅行や長期滞在のヒントになるような話題をお届けしていきます。
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