サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局
フィレンツェを訪れたら、多くの人が立ち寄る通称サンタ・マリアノヴェッラ薬局ことオッフィチーナ・サンタ・マリア・ノヴェッラ(Officina Santa Maria Novella)。
スカラ通りにあるこちらが入り口です。高級ホテルのような雰囲気ですね。
昨年からもはや恒例となったエントランス廊下の香るドライフラワーの装飾は、10日ほど前に発売された新商品のアイリス(あやめ)カラーになっています。とてもいい香りで優雅な気持ちになります。
この新作のオーデコロン、筆者も早速購入してしまいました。
新しいフレグランス「アイリス」フィレンツェのシンボルフラワーです。
オッフィチーナ・サンタ・マリア・ノヴェッラはかつてサンタ・マリア・ノヴェッラ教会と修道院の一部であり、修道士たちにより薬草を育てて製品作りをしていたことに始まり、ハーブスパイスやエッセンスなどを作って人々に売っていました。黒死病などの疫病が流行した中世の時代から、ここで精製されたローズウオーターが消毒液として使われていました。
その後、1612年から香水屋としての営業を開始します。現在の商品パッケージには、その前にあったサンタ・マリア・デッレ・ヴィーニェ教会(6世紀建設)にドメニコ会修道士達が定住した1221年が入っています。
エントランスから廊下を通って、右の小部屋に入ると、そこには修道院の時代の「聖ニコラスの聖具室」が。かつての17世紀からアロマテリア(アロマの部屋)として使われ、蒸留水を保存していたため、水の部屋と呼ばれています。壁には、キリストの受難のストーリーを14世紀末から15世紀初めにマリオット・ディ・ナルドが描いたフレスコ画は今もその美しさが健在。(1800年代に手が加わっています)
現在、この聖具室にはドルチェ&ガッバーナのジュエリーとコラボレーションをしたカテリーナ・デ・メディチ(16世紀)をイメージしたネックレスの展示がされています。ゴージャスですね!
商品を見るだけでもうっとりしますが、戸棚のディスプレイ、壺、乳鉢など昔の薬局の調度品とともにその歴史を感じ、ますますその雰囲気に引き込まれていきます。
大広間には、香水や石鹸、基礎化粧品のコーナー。その奥が会計ルーム。
大広間から右に入ったお部屋「緑の間」は、キャンドルやポプリ、ルームフレグランスなどのコーナーがあります。
緑の間から左奥通路を通ると、「アンティーカ・スペツェリア/エルボリステリア(スパイス・ハーブ薬局) 」のお部屋があり、1612年から1848年まではこの部屋がもともとの薬局で、要望に調合もしてくれていました。現在はリキュールやサプリメント、ハーブティー、飴などの商品があります。そして、もともとの薬局の入り口だったのがこちら。サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の大回廊に面しています。
歴史がありながら、いつ訪れてもいつも何か新しいものを提案してくれるオッフィチーナ・サンタ・マリア・ノヴェッラ、何度でも足を運びたくなります。
◼️住所: Via della Scala, 16, 50123 Firenze FI
◼️URL: https://eu.smnovella.com/it
筆者
イタリア特派員
白崎和恵
名古屋出身。フィレンツェ公認観光ガイド。芸術・歴史文化・グルメ情報、旅行や長期滞在のヒントになるような話題をお届けしていきます。
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