夏の終わりの日帰り旅行-マッサ・マリッティマ
先週末に日帰りでマッサ・マリッティマまで行ってきました。
マッサ・マリッティマはトスカーナ州のなかでもシエーナの南のグロッセート県にあります。
フィレンツェからは車で約2時間強と長距離ですが、来て損はなかったと満足する見ごたえがある街で、丘の上に立つ歴史のある小都市です。
マレンマ・トスカーナといわれるエリアにあります。原始古代時代、エトルリア時代の考古学発掘でも重要な場所であり、ローマ帝国時代を経て、中世にはキリスト教司教区として発展を遂げています。また、さまざまな鉱物の産地でもあります。
城壁の跡が残り、中心エリアへの入り口であり、マッサ・ヴェッキア(旧マッサ)のガリバルディ広場には街のドゥオモ、サン・チェルボーネ大聖堂(Cattedrale di San Cerbone)があります。
建築が始められたのは11世紀のロマネスク様式で、その後ゴシック様式に入っています。荘厳な正面装飾は、ピサやルッカのロマネスク様式に似て、ピサやシエーナで活躍した彫刻家のジョヴァンニ・ピサーノによるものも見られます。内部には、美しい13世紀と15世紀の装飾が施された大理石の洗礼盤、13-14世紀のフレスコ画やドゥッチョ・ディ・ブオンインセーニャもしくはその工房作といわれる「マエスタ(荘厳の聖母)」(14世紀)の祭壇画があります。
ガリバルディ広場からモンチーニ通りの坂を登って行くとたどり着くのが、城壁門「シチリア人の門」、そこをくぐるとあるのが「燭台の塔」(Torre delle Candeliere)です。
この塔に入ることができ(入場料4€)、塔を登ってバルコニーに出ると、城壁の下に広がる美しいマッサ・ヴェッキアの景色を眺めることができます。
その先は、丘の頂上付近まで拡大したのがマッサ・ヌオヴァ(新マッサ)を含むエリア。
コルソ・アルマンド・ディアス(通り)を進んで歩いて行くと右手にあるのがサンタゴスティーノ教会(Chiesa di Sant'Agostino)。13世紀末から14世紀初頭に建てられたゴシック様式の建築。この教会には14-15世紀の聖人シエーナのベルナルディーノの聖衣-着ていた服と帽子が展示されています。この教会の回廊も静かで美しいので訪れてみてください。
サンタゴスティーノ教会の隣にあるのが、アンティーク・メカニカル・オルガン博物館とサン・ピエトロ・アロルト(San Pietro all'Orto)複合美術館です。
アンティーク・メカニカル・オルガン博物館には、17-18世紀のオルガンが展示されています。
サン・ピエトロ・アッロルト美術館は、かつてサンタゴスティーノ教会の修道院があった建物で、大聖堂の装飾の本物(現在の大聖堂にあるのは部分的に複製)が展示されています。そして、この美術館のメインは何といってもアンブロージオ・ロレンツェッティの「マエスタ(荘厳の聖母)」があり、必見です。
●上に書いたマッサ・マリッティマ観光地の情報↓↓↓
Cattedrale di San Cerbone
◼️住所: Piazza Giuseppe Garibaldi, 58024 Massa Marittima GR
◼️URL: unitapastorale-massamarittima.it
Torre delle Candeliere
◼️住所: Piazza Giacomo Matteotti, 58024 Massa Marittima GR
◼️URL: turismomassamarittima.it
Chiesa di Sant'Agostino
◼️住所: Piazza Ettore Socci, 1, 58024 Massa Marittima GR
◼️URL: unitapastorale-massamarittima.it
Museo degli Organi Meccanici Antichi
◼️住所: Corso A. Diaz, 28, 58024 Massa Marittima GR
◼️URL: www.museodegliorgani.it
Museo di San Pietro all'Orto
◼️住所: Corso A. Diaz, 36, 58024 Massa Marittima GR
◼️URL:www.museidimaremma.it
車でしか行けない場所ではありますが、レンタカーでの旅やシエーナ近郊を訪れた時に機会があったら是非マッサ・マリッティマまで足を運んでみてはいかがでしょうか。
筆者
イタリア特派員
白崎和恵
名古屋出身。フィレンツェ公認観光ガイド。芸術・歴史文化・グルメ情報、旅行や長期滞在のヒントになるような話題をお届けしていきます。
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