メディチ家のプラトリーノ庭園
フィレンツェからボローニャへ向かう国道を北上すると、広大な庭園があります。
庭園の入口
16世紀にメディチ家のフランチェスコ1世が土地を購入して、宮廷建築家のベルナルド・ブオンタレンティに邸宅の建設と洞窟や噴水、彫像のある庭園を造るように依頼しました。2番目のお妃のビアンカ・カッペッロにプレゼントしたかったとも言われているそうです。
文化的な社交の場として使用してされていて、17世紀にコンサートなども行われていました。19世紀半ばに邸宅はロレーヌ家(メディチ家のあとにトスカーナ大公を引き継いだヨーロッパ貴族の家系の名家)によって取り壊されました。19世紀イタリア王国時代にサヴォイア家からデミードフ家(ロシアの貴族の家系)に売却され、新しい邸宅が建てられました。
この庭園で何と言っても有名なのが、ジャンボローニャの作品である通称「Il Gigante(巨人)」と呼ばれている「アペニンの巨人像」の噴水と洞窟です。この巨人像の前には蓮の花が浮かぶ池があり、その姿がさらに雄大に見えます。
メディチ家のヴィッラと庭園は2013年にユネスコの世界遺産に登録されました。
再建されたヴィッラのうちのひとつの建物(「Paggeria」と呼ばれる若い宮廷人と使用人の教育や憩いの場として使われていた建物)に、6個の球体のメディチ家の紋章があります。
ブオンタレンティの礼拝堂
現在はフィレンツェ県営の公園となっていますので、市民は広大な庭園に来て、散歩したり、ピクニックをしたりと憩いの場になっています。夏の時期は直射日光が強く暑いので人がまばらですが、木陰に入ると風もあり涼しく、昼寝をしている人も。金曜日から日曜日のウィークエンドのみの開園となっています。
自然の中に造られたメディチ家の庭園で優雅にくつろぐというのも、フィレンツェでの長期滞在なら可能かもしれませんね。
■Parco Mediceo di Pratolino
・バスでの行アクセス: フィレンツェ中央駅の近く、Firenze Autostazione から307Aに乗って、(18停留所、約23分)Pratolino下車、徒歩約200m/
フィレンツェ中央駅広場すぐ横のバス停Satazione Nazionale から1番か7番のバスに乗って(5停留所、約11分)Venezia下車、25番バスに乗り換えて(28停留所、約26分)Pratolino 下車、徒歩約290m
・住所: Via Fiorentina, 276, 50036 Pratolino FI
・URL: cittametropolitana.fi.it
筆者
イタリア特派員
白崎和恵
名古屋出身。フィレンツェ公認観光ガイド。芸術・歴史文化・グルメ情報、旅行や長期滞在のヒントになるような話題をお届けしていきます。
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。