ドイツ東部を急襲した大洪水の現況報告(続報)

公開日 : 2002年08月15日
最終更新 :
筆者 : 柴山 香

「これはまるで戦争です。一瞬のうちに、何もかも失ってしまいました。」緊急避難所と化したドレスデンの或る小学校を取材したドイツ国営テレビのカメラに向かって、一言だけ気丈に答えた初老の女性は、どっと溢れる涙を撮られまいとして、カメラから顔を背けました。8月15日。何事も無かったかの様にしらじらしく照り付ける太陽の下、全土の3分の2が大水害に沈んだザクセン州の各都市で、主として消防隊やドイツ軍による復旧作業が開始されました。(因みに、ザクセン州の面積は、日本の関東地方全域とほぼ同じ)とは言え、エルベ河の水位は依然としてジリジリ上昇を続けており、8月16日には通常水位の5倍を超えて、史上最悪の8m70に達する見込み。冒頭の女性のように、水害に追われた避難所暮らしの一般市民が、我が家(或いは、3日前までは我が家が在ったはずの場所)へ戻れるまでには、あと数日はかかりそうです。ドレスデン、マイセンよりも下流に位置する、エルベ河とその支流沿いの市町村では、今なお洪水警報が解かれず、住民には避難勧告が出されたままです。今週末にかけて、新たな水害が予想される主な観光都市としては、バウハウスで有名なデッサウや、ザクセン・アンハルト州の州都マグデブルクが挙げられます。尚、エルベ河を更に北上したリューネブルクや、エルベ河が北海に注ぐ、河口の港町ハンブルクには、被害はまず及ばないと予想されています。

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(写真:ドイツ・バロック建築の最高峰と称えられるドレスデンのツヴィンガー宮殿中庭も、濁水に沈んだ)

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