ヤンが駆け抜ける ー 自転車競技

公開日 : 2004年10月16日
最終更新 :
筆者 : 柴山 香

大都市では車道と歩道の間に「自転車専用道路」が完備しており、自転車専用道路が無い場合には、まるでオートバイのごとく堂々と車道のど真ん中を走る「自転車」に、ドイツに来た当初はずいぶん驚いたものだった。自転車は、日本ではむしろ「歩行者」の仲間だが、ドイツでは立派な「車両」扱いである。さて、その自転車競技のヒーローが、旧東ドイツ・ロストック市出身の「ヤン・ウルリヒ」である。3人兄弟が全員スポーツ選手という、運動神経抜群一家に生を受けたヤンは、若干12歳にして自転車競技会に初優勝、19歳で出場した世界選手権では世界最年少での優勝を遂げ、一挙に世の注目を浴びる存在となった。そして1996年、ツールドフランス初出場でいきなり総合第2位。翌97年には悲願の総合優勝を飾り、同年にはドイツスポーツ大賞始め、各方面からの表彰攻めにあったのも記憶に新しい。栄光ロードまっしぐらかと言うと、もちろんそうではなく、ヤンも怪我に泣かされ続けている。競技会でたびたび不運の転倒に見舞われ、重症を負っては、「今度こそ再起不能か?!」とメディアに散々書き立てられた挙句、そのたびに世間を裏切って(?)蘇ってきたのである。シドニー五輪の個人ロードレースで堂々金メダルを獲得したヤンが、今夏のアテネ五輪では精彩を欠き、ツールドフランスでも総合4位に甘んじた。ファンも恐らく肩を落としているに違いない。目下、「内緒のリゾート地」で家族と水入らずのバカンスを満喫しているというヤンは、11月から再び練習を再開するという。今回もまた、周囲の期待を裏切って、見事な復活を遂げて欲しいものである。

2577.jpg

走れ!走れ!ヤン!

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。