今日からは自分のために働くゾ!

公開日 : 2007年07月18日
最終更新 :
筆者 : 柴山 香

働けど働けどわが暮らし楽にならざり。じっと給与明細を見れば、増えるは天引き金額ばかりなり。

13日の金曜日。何らや不吉な出来事が起こるとされる日付けですが、2007年7月13日ばかりは、ドイツ国民にとってはむしろ喜ぶべき日。この日からは、いや、もっと正確に言えば、7月13日(金)の午前11:40からは、「やっと、自分のふところに入るお金のために働く」という記念すべき瞬間だからなのです。

毎月の稼ぎから、税金や社会保障費がご〜っそりもっていかれるドイツ。税も保険も直接・間接的に、自分や愛する家族のために有効利用されていると、寛大に考えられればいいのだけれど、実際には、その天引き金額の多さに深〜いため息をついたり憤ったりする毎日。

2007年の平均金額で言えば、「1ユーロ」(1ユーロ=100セント)の労働収入から、およそ「53セント」の税金・社会保障費が引かれ、残りの「47セント」が純粋に自分の手もとに残るという計算。つまり、この47セントの中から、家賃、食費、レジャー費などなどを捻出せねばならないというわけです。そして、この53:47という割合を、2007年のカレンダー日付けに置き換えた結果、奇遇にも7月13日(金)がズバリその境目となったのです。ちなみに、毎年この境目となる日付けのことは、ドイツ納税者団体から「納税者記念日」と呼ばれており、税負担の軽減を求める集会やデモが各地で展開されます。

とにもかくにも、7月12日までは、天引きされる金額のために額に汗していたものが、翌13日から晴れて自分だけのために働けるのですから、13日以降、ドイツ全国のサラリーマンのヤル気度が格段に上昇したことでしょう(あるいは、この非情な数字を知って、ますますモチベーションを失ってしまった派も多いかもしれませんが・苦笑)。

この「納税者記念日」は、税率の変動などによって、毎年その日付が前後するのですが、昨年の納税者記念日は7月5日。つまり、今年はそれが一挙に8日も延びてしまったことになり、まる8日分、税負担が増加したことを意味します。この増加には、年明けの付加価値税値上げ(16%→19%)が大きく貢献(?)していることはご想像の通りです。

あ〜、やれやれ、来年の納税者記念日は、いったいいつになることやら....

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