日本の古家屋を再生するドイツ人
環境保護先進国のドイツでは、「再生利用」はお家芸のようなもの。古紙もガラスもプラスチックも生ゴミも、システムに従って再利用・有効利用される。
そんな「再生」に懸ける技術と情熱(と、恐らく執念も)をトランクに詰めて、日本へ渡って来たドイツ人がいる。ベルリン出身のドイツ人建築デザイナー、カール・ベンクス氏だ。
カール・ベンクス氏が再生するのは、「日本の古い民家」。世界に誇れる日本伝統の建築技術の賜物である民家が、持ち主に置き去りにされ、寂しく朽ち果てていく様を、建築専門家として傍観できなかったのだろう。
築100年という家屋が立ち並ぶヨーロッパと比して、日本の家屋の耐用年数は25〜30年程度といわれるが、その平均寿命というレッテルに「物言い」をつけるかのようでもある。
雪深いことで知られる新潟県十日町にあるベンクス氏の事務所は、これまた純和風の古民家を再生した建物。随所にドイツの伝統家具や建材が使われているのだが、違和感を感じないばかりか、以前からそこに存在したかのようにたたずんでいるのが不思議だ。
今年に入いり、ベンクス氏は、第2回安吾賞(新潟市特別賞)を受賞されたのだが、受賞記念スピーチ中の、「もう少し早く日本に来るべきでした」の氏の一言に、心が痛んだ。
画像:カール・ベンクス氏が手がけるプジェクトにより、新潟にある築200年という古民家を生き返らせた薪小屋。自家製ビールと手作りソーセージが自慢のレストラン。
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