ドイツの小学校 〜 教科書だって中古品

公開日 : 2008年09月10日
最終更新 :
筆者 : 柴山 香
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6週間ほどの長〜い夏休みが終わると、ドイツでは新学年がスタートする。気温も低めで、全般に雨がちだったため、夏休みなんだか秋休みなんだかよくわからない、消化不良の夏休みだったので、せめて9月は「夏よ、戻って来〜いっ!」というのがドイツ人の願いであろう。

さて、町のあちこちでは、体より大きなランドセルを背負った1年生の姿が見られ、「新入生が登下校します!車は徐行しましょう!」というポスターや横断幕が目立つ。始めのうちは、我が子を車で送迎する親も多いので、始業時や終業時に小学校付近が渋滞するのも、今の時期の風物詩だ。

ドイツで小・中学校に通った経験が無い私は、地元の小学校に通う自分の子を通して知る「ドイツの学校というもの」に、一喜一憂.....というより、一驚一爆する日々だ。

学校のクラス分けに文句つける親についてはすでに私的ブログで書いたが、それ以外にも目をクルクルさせてしまう出来事がてんこ盛りである。

初めて知ったのは、教科書が「配布」されるのではなくて「貸与」されるということ。学校で配布される教科書はどれも中古で、図書館の貸し出し図書のように「今までにその教科書を使った生徒の名前とクラス」が書いてある(本日の画像)。セロテープであちこち応急手当してある本もあれば、新品同様の本もあり、今までにその本を使った子どもたちの扱い方によって保存状態もバラバラだ。

こうして、学校から中古の教科書を受け取ると、まず最初に全ての教科書に「透明カバーをかけなさい」と学校から指導される。本の痛みを少なくするためで、そのカバーは各自が買うことになっているため、新学期早々の文房具屋では、筆記具やノートに負けないくらい、本のカバーが飛ぶように売れるのである。

話を戻して...。

「新学年=新品の教科書」という図式が当然の私にとっては、いきなり中古ボロボロの教科書を渡されると、何だか意欲をそがれる気がするし、学年終了後に教科書を返却せねばならないということは、うっかり本に書き込みもできない上、いざ復習したいという時になっても教科書が手元に無い!という事態にもなる。教科書はやっぱりいつまでも手元に置いておきたいよな〜.....という思いを、何人かのドイツ人父母に離したら、

「昔の教科書取り出して来て復習なんてする子、いると思う?」

とアッサリ返された(苦笑)。

さて、肝心の子どもの方は、本に書かれた名前を指差して「あ〜、この子、知ってる〜!」なんて大声あげたりして、その下段に自分の名前を書き込めることを喜んでいる模様。"自分の次にも、この教科書を使う生徒がいるのだから、大切に使わなきゃ!"ということを学ぶのも大切....か。

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