写真家ミッシェル・コムト個展 〜 デュッセルドルフ

公開日 : 2009年02月05日
最終更新 :
筆者 : 柴山 香

「彼に撮影してもらった写真を見ると、そこには自分の知らない自分がいる。」(ミヒャエル・シューマッハー)

元F1レーサーのシューマッハーが「彼」と呼ぶのは、スイス出身の写真家ミッシェル・コムト。比較的記憶に新しいところで、昨春開催のクリスティーズ・オークションに出品されて話題をさらった、フランス大統領カーラ夫人(のモデル時代)の全裸写真を撮影したカメラマンといえば、ご記憶の読者がおいでかもしれない。(ちなみに、そのカーラ夫人の写真、中国の美術商が、予想外の高値91,000米ドルで落札した)

美術修復技術者として修行を積んでいた時代、滞在先のパリで、その才能が偶然ウンガロの目にとまり、広告写真家としての初仕事を手に入れたコムト。その後、ラーガーフェルト、アルマーニ、シャネル、ベルサーチ、D&G、クロエ、ナイキ、フェラーリ、BMW....からも矢継ぎ早に声がかかるようになり、超高速で売れっ子写真家へのステップを駆けのぼっていくことになった。

華麗なファッションや最高級スポーツカーを被写体とする日々。まばゆいスポットライトが輝く夢の世界に身を置いていたからこそ、コムトは、「暴力や死、貧困といった、現実を直視するため」に、アフガニスタン、ボスニア、カンボジアといった紛争地域へも積極的に足を運び、ひたすらシャッターを押し続けた。

今世紀に入いってからも、米写真専門誌から「フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれるなど、多分野で精力的に活動を続けるコムトが、「パリで、偶然ウンガロの目にとまった、あの日」からちょうど30年を迎えた節目の今年、ドイツで個展を開催する。

デュッセルドルの中心部近く、ライン川沿いにある個展会場には、時代ごとの最新ファッションを追った作品、著名人の意外な素顔、ヌード写真に加え、上で述べた紛争地域からのドキュメンタリー映像など、おそよ300点が並ぶ。また、冒頭で触れた、F1レーサー時代のシューマッハーとフェラーリに密着した作品もハイライトのひとつだ。

余談ながら、私生活では、昨夏に日本人女性と挙式したばかりのコムト。公私とも幸せに輝くコムトの30年間の集大成でもある個展は、2月1日〜。

個展会場の「NRW-FORUM」は、デュッセルドルフ中央駅から地下鉄で4つ目の「Tonhalle」下車後、徒歩数分のところ。

開催期間:2月1日〜5月10日、火〜日曜日の11〜20時(金曜日は〜24時)。入場料はひとり5.50ユーロ

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