ルール "芸術" 地帯

公開日 : 2009年03月12日
最終更新 :
筆者 : 柴山 香
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11日にベルリンで幕開けした、世界最大規模の国際旅行見本市「ITB」。世界180ヶ国から1万を越す出展者が所狭しとブースを並べる会場では、ヨーロッパの真ん中にいながら世界周遊気分が味わえるとあって、昨年は18万人もの来場者で大盛況でした。

前年に引き続き、今年も活況を呈するであろうITB国際旅行見本市で、今回の「公式パートナー都市」に選ばれたのが、ドイツ北西部に広がる「ルール地方」。連想ゲームで「ルール」と聞けば、即座に「工業地帯」の4文字が思い浮かぶほど、戦前からドイツ最大の重工業地域として君臨してきたルール地方。エッセン、デュイスブルク、ドルトムント、ボーフムといった諸都市の周辺で栄えた石炭、鉄鋼、科学、機械工業が、長きにわたりドイツ産業の大黒柱を成してきたことは、歴史の授業で習った方も多いかと思います。

そんな重工業繁栄時代も、今は昔。時代の流れには逆らえず、やむを得ず廃業に追い込まれた鉱山や製鉄所の巨大な建築群が、劇場や美術館に見事に変身を遂げ、エンターテインメント、学問、アートの発信地として息を吹き返しています。

たとえば、エッセンにある旧鉱山Zollverein、オーバーハウゼンにある、高さ100mの円柱形ガスタンクGasometerなどは、そういった"華麗なる転身"の成功例でしょう。

そんな中、エッセン旧鉱山Zollvereinが、2001年にユネスコ世界遺産に指定されたのは記憶に新しいところ。さらに、それに続くかのように、「エッセンとルール地方」が、2010年の欧州文化都市に選定されました(ドイツの都市では、これまでに1988年に西ベルリン、1999年にワイマールが選ばれた)。

記念すべき2010年を全世界にアピールすべく、これから先、エッセンとルール地方の諸都市では、さまざまなジャンルのアート、学問、スポーツ、娯楽イベントが目白押し。観光王国ドイツにありながら、観光客の足が向くことは少なかったルール地方が、「欧州"文化"都市」としてどんな姿を披露してくれるのか、大いに楽しみになってきました。

ルール地方の観光、イベント情報などは、ルール地方観光局、または、2010記念年の公式サイトルール2010を。

ITB(国際旅行見本市)は3月11〜15日の毎日10〜18時開催(一般客は14〜15日のみ入場可)。1日券ひとり14ユーロ、学生8ユーロ。

本日の画像

ルール地方で毎年開催される「Extraschicht」という人気のナイト・イベント(開催18時〜深夜2時)のポスター。ルール地方約40の会場で、100を越えるイベントが開催される。昨年は、ルール地方に住む夜型人間が一同に終結した模様で(笑)、実に16万人の来訪者で賑わった。2009年は6月27日に開催。

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