鉄道旅行の荷物はミニサイズで!なぜなら.....

公開日 : 2009年07月13日
最終更新 :
筆者 : 柴山 香
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晴れのち雨のち曇りのち雨...という気まぐれ空のドイツ。とっくにオープンしている屋外プールにも、鳥肌覚悟で訪れるお客さんがポツリ、ポツリ。今週こそは夏日が訪れるという予報なので、期待せずに期待したいところ。

今日のテーマは、車窓いっぱいの田園風景を満喫できるドイツ鉄道の旅。周遊パスを手に、気になる駅で気軽に下車してみたり....。

手にずっしり重いトランクを持っていても大丈夫。大都市や乗り継ぎ駅のホームや階段には、エレベーターやエスカレーターが設置されているところが増えていますし、階段の勾配と平行して、荷物運搬ベルト(本日の画像)が敷設されている駅も多いので、重いトランクの運搬も苦になりません。

.......と自信を持って書きたいところなのですが、実は、この荷物運搬ベルト、「運行停止中」であることが多いのです。いや、「多い」どころか、「ここ数ヶ月、動いているのを見たためしがない」という表現の方が当てはまっているくらいです。しかも不思議なことに、ドイツ全国どこの鉄道駅へ行っても同じ現象で....。

荷物運搬ベルトは、トランクなど重い荷物をのせると、それに反応したベルトが自動的にぐぃ〜ん!と動き出す仕組みなのですが、階段の昇り口で、ベルトにドスン!と荷物をのせてみたものの、全く反応が無いことに気づき、ベルトに向ってさんざん文句を浴びせた後、荷物を手にしぶしぶ階段を昇る旅行者の姿が、もはや日常茶飯事になってしまいました。

数ヶ月にもわたり、全国の駅のベルトが一斉に稼働していないとなると、単なる故障中であるはずもなく。ドイツ鉄道のケチケチ経費削減か?と思いきや、実は理由があったのです。

2009年2月のこと。ケルンのとある駅で、この荷物用ベルトに足をはさまれた子どもが大けがをした事故があったためで、それ以来、ドイツ全土のベルトコンベアーが停止したままなのです。

「事故に至った原因は不明」と発表されています。「ベルトの上にのって『ベルトサーフィン』でもして遊んでいたんじゃないのぉ〜?その子と一緒にいたという母親も、注意しなかったんじゃ....?」という深い疑いは残るものの、ドイツ鉄道としては、ただちにベルトを停止せざるを得なかったのでしょう。

そして、ベルトに安全装置などを追加設置すれば済むものなのか、あるいは、現行のベルトを全て撤去し、新装置を敷設せざるを得ないものなのか、その辺りを、あの事故の日以来、じっくりゆっくり検討中なのだそうです。

そんなわけで、荷物運搬ベルトが(当面は)あてにならないドイツ鉄道の旅、手荷物はくれぐれもミニサイズで....。

本日の画像:

「稼働停止中」の張り紙の余白には、「事故が起きる前から動いてないじゃないか!」という、思わず苦笑してしまういたずら書きが.....。

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