みんな元気で新学期 〜 バート・ユーイハウゼン

公開日 : 2010年04月07日
最終更新 :
筆者 : 柴山 香
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新学期を迎えて、桜舞う日本 。

本日この場をお借りして、ぜひ「ご入学・ご進級おめでとうございます!」を伝えたいのが、ピッカピカの1年生になる私の甥と、もうひとりは、私が一方的に知っているだけの、美摘(みつみ)ちゃんという女の子。

もう5年前になるでしょうか。日本に里帰りしていた私は、再びドイツへ戻るべく、成田空港で帰路便に乗り込みました。離陸後しばらくして、窓側の客席の数列が、厚手のカーテンですっぽりと覆われていることに気づきました。乗務員が、時折そのカーテンを少しだけ開けて、中に話しかけている様子からも、誰かがそのカーテンの中にいることは明らかなのですが、内部の様子は外からは全くうかがえません。気になって乗務員に尋ねてみると、「お体の具合がすぐれないお客様がおられまして....」と言葉を濁すのみ。病人ならば、窮屈なエコノミークラスなんかに座っていて、きちんと横にならなくて大丈夫なのから?...などど気になりつつも、10時間を超すフライトを終えて家路につきました。

数日後、日本語のネット新聞を読んでいた時に目に留まったのが、心臓移植手術のため、日本からドイツに渡った少女に関する記事。その少女が利用した飛行機が、私のと同じ便名だったことから、「ああ、あのカーテンは、この女の子の一行の座席だったんだ!」と初めてわかったのでした。そして、その少女が美摘ちゃんという名であることを知ったのも、その新聞記事からでした。

それ以来、美摘ちゃんのことが時折ふと思い出され、その後のドイツでの手術が大成功したこと、半年に及ぶドイツ療養生活の後、無事に故郷に戻り、とても元気に学校生活を楽しんでいることなどを、ホームページを通じて読んでいました。

ところで、美摘ちゃんが移植手術のために訪れたのは、ハノーファーの北80kmほどのところにあるバート・ユーイハウゼン市にある心臓疾患・糖尿を専門とする大学病院。この病院に併設されている小児心臓病院には、生まれつき心臓を病む子供たちが、世界各国から診療に訪れることで知られているのだそうです。

さらに、同じ市内には、移植手術などを受ける子供に伴って来独した両親、家族が安心して宿泊できる施設も整っています。その一例が、ファーストフードでおなじみのマクドナルド財団が設立したマクドナルド・ハウス。我が子の手術・長期入院治療に付き添う家族が、ひとつ屋根の下で共同生活できる宿泊施設で、互いの悩みや情報交換ができ、常駐する相談員からアドバイスを受けることもできます。宿泊料金も、一般のホテルに比して良心的であるため、長期滞在も可能になります。このマクドナルド・ハウスは、現在ドイツ全国に16カ所あり、年間5,000家族もの利用者があるとのことです。

さて、ドイツで手術を受けて元気になった美摘ちゃんですが、私の記憶が間違っていなければ、今春からピカピカの中学1年生!おいしいご飯をたっくさん食べて、どんどん体力をつけて、いつかまたドイツに遊びに来てくださることを願っています。

本ブログ執筆にあたり、美摘ちゃんの伯父様にあたる小村様より、美摘ちゃんを救う会HPへのリンクをご承諾頂きました。お力添えにお礼を申し上げます。

本日の画像:

バート・ユーイハウゼンにあるマクドナルド・ハウス外観。

目にも鮮やかな色調が、患者さんを支える家族に明るさを届けてくれそうです!

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