ますます健在の「犬税」

公開日 : 2010年09月16日
最終更新 :
筆者 : 柴山 香

その昔、日本の民家の玄関先にべたべた貼られていた「犬」という字のカラフルなステッカー。あれ、今になって改めて考えてみると、犬保有税の領収書みたいなものだったんですね。

この犬税、日本では80年代初頭に廃止されてしまったそうですが、中世の頃に、犬税の前身となる制度がすでに確立していたというドイツでは、犬税廃止どころか、ますます現役で健在です。

犬好きのドイツ人が声高に叫ぶのが、「理不尽に高い犬保有税」への不平不満。なるほど、具体的にその金額を聞いてみると、想像したよりも高額なことに驚きます。

税額は、各自治体の決定に一任されているためバラつきがありますが、「1頭目は年額100ユーロ(現行レートでおよそ11、000円)、2頭目以降は、1頭につき200ユーロ」、または、「何頭飼っていても、1頭につき150ユーロ(16、500円)」というパターンが一般的なようです。盲導犬や救助犬、生後3ヶ月以内の犬は課税対象にはならず、また、さまざまな犬種や年齢を考慮した、細かい課税制度をとる自治体もあるようです。

その一方で、自治体問わず共通しているのは、闘犬などの「危険犬種」への税額が、情け容赦無くつり上げられていることです。1頭あたり年額500ユーロ(およそ55、000円)、900ユーロ(99、000円)なんてケースもあるほどで、まさに家計を直撃!の税額ですが、近年ドイツで頻発した、どう猛犬による悲惨な咬傷事故も影を落としているのでしょうか。「犬の躾はドイツ人に任せろ....」なんて一節、昔はよく聞かれたんですけどね〜。

最近では、「マナーテスト」に合格した犬は、犬税軽減制度の対象になるなど、日頃の素行が良いワンちゃんを優遇する制度が導入され、歴史の古〜いドイツの犬税制度も、少しづつ姿を変えつつあるようです。

とは言っても、日本のように完全に廃止されてしまうことは....ありえないでしょうが(笑

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