フランクフルトでかき氷が流行る日も近い!? 日本のかき氷屋がオープン

公開日 : 2020年08月03日
最終更新 :
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ドイツの夏は涼しいイメージがありますが、ここ数年はそうでもなくなってきたように思います。

日本ほどの湿気はないものの、暑い日は30度以上を軽く超えるときも。

そんな暑い夏の日に食べたくなるのは冷たいデザート。

ドイツでの定番はアイスクリームですが、なんとここフランクフルトでは日本のかき氷(Schneeeis)が食べられるようになったのです。

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日本人にとって暑い夏の日に食べたくなるのが日本のかき氷。

それはドイツに住む筆者にとっても同じ。

そんな願いを叶えてくれる日本のかき氷を手がける東京屋台(Tokyo Yatai)さんにお話をうかがいました。

■日本のかき氷屋を始めたきっかけ

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ドイツの同じ職場で働いている加藤康人さんと斎藤翼さん。

ふたりともある起業がテーマのテレビ番組を観ていたそうで、その影響で自分たちも副業でビジネスを始めようという話に。

日本のB級グルメでドイツにないものを売りたい、と決めた2人。

コストを考え店舗は持たずフードトラック(屋台)という形をとることに。

フードトラックは手作りだそうで、火は使えないので加熱しない日本の食べ物を、と考えたのがかき氷。

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2019年からかき氷屋台をスタートし、当初はイベント中心で販売開始。

今年2020年もいろいろなイベントに参加予定だったはずが、コロナ禍で予定していたイベントが次々とキャンセルに。

さらにふたりの本業も短期勤務(Kurzarbeit)となってしまったため、できた時間を本格的な屋台営業に切り替えたそう。

現在は、加藤さん斎藤さんに加えドイツ人のJuri Minichさんを加えた3人で屋台を営んでいます。

■東京屋台(Tokyo Yatai)について

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斎藤さん:「東京屋台のコンセプトは『ヨーロッパに日本の下町の食文化を広める!』。 というのも、加藤・斎藤はともに東京の下町出身だからです。 今はフランクフルト店のみですが、徐々に店舗を増やし、 いずれ南ヨーロッパのビーチの各所でかき氷が食べられる時代を到来させたいと思っています」

移動式の屋台なので、いろいろな場所で出店できるのも魅力のひとつ。

さらに、トウキョウヤタイ、というインパクトのある名前の由来についても聞いてみました。

加藤さん斎藤さんはふたりとも東京出身、また斎藤さんの下の名前「翼」のTも兼ねて「Tokyo」を入れ、加藤さんの「康人」のYを入れるためにもう1つのキーワードを考えたところ「Yatai(屋台)」が思い浮かんだそう。

今後はドイツ以外にも進出したいと考えているので、ドイツ語(例えば東京はドイツ風だとTokio)は入れずに「Tokyo Yatai」となったそう。

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かき氷は現在いちご、抹茶、エルダーフラワー(Holunder)の3種類をベースに季節に応じてマンゴーや桃など期間限定フレーバーも出しているとのこと。

シロップは市販のものでなく手作り。

また期間限定で出すフルーツのシロップもそのフルーツがおいしい時期に作るというこだわりも。

コロナ対策としては消毒液の設置、従業員のマスク着用、お客さまへの注意喚起、カード払いOK、など工夫もされているそうです。

■日本のかき氷、ドイツでの反応は?

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斎藤さん:「かき氷自体を知らない方が多いですが、食べてさえいただければ、ほぼ皆口をそろえて『おいしかった!』と言っていただけ、うれしいことにリピーターも多いです」

ドイツではかき氷という存在を知る人は多くないようですが、かき氷を食べてみると現地での反応は好感触の様子。

また、最近ドイツでもMatcha(抹茶)が知られつつあり、看板に書かれた「Matcha」の文字に目を留めてくれてかき氷を試すきっかけにもなっているそう。

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日本好きな人も多いようで、抹茶のほかにもあんこが好きという人もいるそうで、なかにはあんこだけ欲しいというリクエストがあったことも(!)。

国際色豊かなフランクフルトにはドイツ人以外にもさまざまな国から来た人が多く住んでいるため、次のようなコメントも。

斎藤さん:「トルコやアジア諸国で氷を削る似たようなデザートがあり、それをきっかけに食べていただけることもあります。日本に行ったことがなくても、ハワイで食べたことがあるというお客さまも何人かいました」

■季節の食べ物であるかき氷。今後のプランについて

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斉藤さん:「今はかき氷一本ですが、冬用商品としてヨーロッパで知られていないもの、日本人がヨーロッパでも食べたいもの、おいしくてインスタ映えするものを調査・開発中です」

かき氷に関しては今年は9月終わり頃までの販売を予定しており、今後も毎年続けていくとのこと。

現地日本人も多く住むドイツ。

斎藤さん:「日本のお祭りで食べるような、赤・青・黄色といったシロップを使った かき氷ではなく、自家製ソースを利用した次世代かき氷をぜひご賞味いただきたい」

とメッセージ。

また、かき氷を知らないドイツ人やドイツ在住の外国人向けには「Schneezucker」というお試しサイズを€2で提供しているとのこと。

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もともとコロナウイルスの影響によって始まった店舗営業。

短期勤務の割合もスタッフのなかでばらつきがあり、その月によっても変わるので仕事の配分が時折たいへんなこともあるそう。

それでも現地の人たちに食べてもらって「おいしい!」とコメントをもらうと、日本の食べ物が受け入れられているのが実感できやりがいがあると斎藤さん。

ドイツでトルコ料理のケバブが浸透したように、かき氷文化もいつかヨーロッパに浸透すればと今後も営業を続けていくそうです。

■東京屋台(Tokyo Yatai)

・住所: Walther-von-Cronberg-Platz 1, 60594 Frankfurt am Main(その周辺を移動する場合あり)

・アクセス: ザクセンハウゼン側の川沿い東エリア。トラムの駅Frankensteinerplatzから徒歩5分、Lokalbahnhof駅から徒歩10分程度

・営業時間:

火、水、金曜:14:30-19:00 土、日曜:13:30-19:00 月・木曜休み

20℃かそれ以上の気温で雨が降っていない日に営業。19℃以下で雨など天候が悪い日は休業。

筆者

フランクフルト特派員

ユウコフランクフルト

フランクフルト在住グラフィックデザイナー。ドイツ旅行やドイツ生活に役立つ情報を発信中。

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