ドイツはロックダウン強化へ

公開日 : 2020年12月15日
最終更新 :
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こんにちは! フランクフルト在住特派員ブロガー、ユウコフランクフルトです。

あっというまに2020年も最後の月、12月となりました。今年は世界のどこもコロナの日々だったかと思いますが、いまもなお筆者の住むフランクフルトでは感染拡大が止まりません。以前こちらの記事で11月のロックダウン情報について紹介しました。

あれから数週間たち、衛生措置の内容が変化しています。今回の記事ではドイツの状況なども踏まえつつ新たな取り決めについて書いていこうと思います。

注意:当ブログでは現在のフランクフルトの様子やコロナが収束したあとフランクフルトでおすすめしたい場所などををお伝えしています。皆様の次回のフランクフルト旅行の参考になれば幸いです。

■これまで行われてきた「ロックダウン・ライト」

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ドイツで取り決めとなったロックダウンの内容は、これまでは部分的なロックダウン(Teil-Lockdown)とし、世間では「Lockdown light」、つまり「軽めのロックダウン」という呼ばれ方をしていました。なぜかというと生活必需品や食料品以外の店(雑貨店、服屋など)は営業し、学校も開校されていたからです。

一部人が多く利用するような店で入場制限的なことはありましたが、3月のときのあの雰囲気ではなく、ロックダウンとはいえ筆者の周囲や町の人の様子を見る限り夏のときよりそこまで大きな変化は感じていませんでした(ただ、私自身も、自宅と用事、必要最低限の買い物メインでの外出で友人と積極的に会うこともなかったからかもしれませんが)。

■ロックダウンは2021年も引き続き延長に

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軽めのロックダウンで状況が改善できればよかったのですが、相変わらず感染拡大が収まる気配はなく、メルケル首相は12月3日に当初12月20日までとされていた部分的ロックダウンが、2021年1月10日まで延長する旨を発表。

その際のプレスリリースは以下の内容です。

1 部分的ロックダウン(Teil-Lockdown)の延長

 連邦政府と各州政府は,11月に連邦と各州で合意したコロナ対策措置を明年1月10日まで延長することで一致した。メルケル首相は協議後の記者会見で,「我々は過去1週間の10万人あたりの新規感染者の数を再び50まで下げるという目標を持っているが,(現在)その目標値からかけ離れている」と述べた。

 また,メルケル首相は,「可能な限り接触を避けてほしい」と強調するとともに,ウイルスを騙したり葬り去ったりすることはできないとし,「(感染者数の)急激な上昇は抑制されたものの,新規感染者数は高止まりしている」と述べた。メルケル首相は,次回の協議を1月4日に開催する旨予告した。同首相は,「(次回の協議で)そのときの我々が置かれた状況を分析することになる」と述べた。

2 コロナ・パンデミックにかかる支援

 協議の出席者らは,連邦各州によるコロナ関係支出の適切な負担に関して長く続いている議論について,このような非常事態においては全ての当事者が大きな責任を有していることで一致した。連邦,各州及び地方自治体は,パンデミック及びその影響を可能な限り上手く制御するために,適切かつ建設的に協力しなければならない。メルケル首相は,既に連邦議会が議決した,11月及び12月に向けたつなぎ支援について指摘した。連邦議会の同議決には2021年1月から始まるつなぎ支援3も含まれている。

3 ワクチン接種センターの設置

 メルケル首相は,ワクチン接種センターを準備するために連邦各州が行った多大な努力を称賛した。また,ワクチンが今月末までに承認されれば,このことが重要となると述べた。予防接種常任委員会は,予防接種を行う順番を検討し,今後連邦保健大臣に勧告を出すこととなる。

■ライト・ロックダウンからハード・ロックダウンへ

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上記の内容が発表されて1週間も経たないタイミングで、ザクセン州はより厳しいロックダウンを決行する旨を発表。この記事を書いているドイツ時間の今日12月14日(月)からすでに実施されています。

そして12月13日首相と各州首相とで協議があり、これまで実施されていた制限措置では十分ではないと決断。ドイツ全土の制限措置のさらなる強化発表、12月16日(水)より実施決定となりました。

新たな強化内容は以下のようになっていて、2021年1月10日まで有効となっています。

○各種制限措置:これまでに連邦と州で合意した各種制限措置は,原則として2021年1月10日まで引き続き有効。

○接触制限の厳格化:友人・知人,親族との私的な集まりは,自らの世帯及びもう一世帯に属する者による合計で最大5人までに制限(14歳以下の子供はこの制限人数には含まれない)。

○クリスマス期間の接触制限緩和:各連邦州の感染状況に応じ,12月24日~26日までのクリスマス期間は,自らの世帯に加え親族4人までの私的な集まりは可能(この場合,2世帯を超える,または5人を超える集まりも可能。14歳以下の子供はこの制限人数には含まれない)。

○集会の禁止:大晦日及び元日にはドイツ全土で群がり集まること及び集会が禁止される。さらに,人で賑わう公共の場所での花火は禁止。原則として大晦日前の花火の販売は禁止。

○店舗の営業:小売店(Einzelhandel)は閉鎖(食料品や生活必需品の販売を除く)。

○サービス業の営業:ボディーケア分野におけるサービス業(理髪店,コスメティックサロン,マッサージ,タトゥースタジオ等)は閉鎖。

○学校:原則として閉校または出席義務を免除。保育園も同様に閉鎖。

○雇用主への要請:会社を休みとするか,在宅勤務によって事業所を閉鎖しうるか検討するよう要請。

○飲食店:デリバリーサービス,持ち帰りサービスのみ可能(その場での飲食は禁止)。公共空間におけるアルコールの消費は禁止。

○教会等での礼拝等:教会,シナゴーグ,モスクでの礼拝や集会は,最低1.5メートルの対人距離の確保,着席時も含むマスク着用義務及び合唱の禁止が遵守される場合のみ,許可。

○介護施設等及び訪問介護サービス:従業員に対する定期的なコロナ検査など,特別な保護措置が講じられなければならない。

○旅行:ドイツ国内及び国外への必要不可欠でない旅行の自粛。

○経済支援:制限措置によって打撃を受けた企業,自営業者及びフリーランス等に対して引き続き財政的支援を実施。

これまでより厳しくなっているポイントは、

・食料品店など生活必需品以外の小売店(Einzelhandel)は閉鎖

・ヘアサロンなどのサービス業閉鎖

・学校は原則閉校(または出席義務を免除)、保育園も同様に閉鎖

あたりでしょうか。ドイツの大晦日といえば公共の場で打ち上げる花火ですが、「人で賑わう公共エリアで花火を上げるのは禁止」、「大晦日及び元日にはドイツ全土で群がり集まること及び集会が禁止」、さらに大晦日前の花火販売は禁止となったそうなので今回の大晦日は静かに過ごせるのかどうか気になるところです。

■ドイツは本格的なロックダウンへ さいごに

今回の記事では、最近決定したドイツのロックダウンの内容について紹介しました。

これからクリスマス、年末年始となりますが今年はこれまでと大きく違う過ごし方になりそうです。また何かアップデートなどあれば追って紹介予定です。

いつもなら日本へ一時帰国する時期ですが、筆者は渡航の予定はありません。日本へ行くことが難しいのは残念ですが、いまもなお健康でいられてこうして記事を書いている元気があることに感謝しつつ感染防止に努めるしかないと思っています。

筆者

フランクフルト特派員

ユウコフランクフルト

フランクフルト在住グラフィックデザイナー。ドイツ旅行やドイツ生活に役立つ情報を発信中。

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