ドイツのコロナワクチン接種について

公開日 : 2020年12月27日
最終更新 :
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こんにちは! フランクフルト在住特派員ブロガー、ユウコフランクフルトです。

以前こちらの記事で、ドイツにおけるロックダウン強化について書きました。

今回の記事では、ドイツ国内における新型コロナのワクチン接種についてわかっている情報を紹介したいと思います。

注意:当ブログでは現在のフランクフルトの様子やコロナが収束したあとフランクフルトでおすすめしたい場所などををお伝えしています。皆様の次回のフランクフルト旅行の参考になれば幸いです。

■ドイツ国内でのワクチン接種

ドイツのシュパーン連邦保健大臣は新型コロナ対策としてのワクチン接種について記者会見を2020年12月18日に行い、ドイツ国内でのワクチン接種の優先順位について説明をしました。ドイツに居住する人すべてが接種対象であるものの、現時点ではワクチン供給量に限りがあるため接種対象者をグループごとに分けての実施となります。

以下、ドイツ連邦保険省のプレスリリースに関して在ドイツ日本国大使館からの情報を掲載します。

1 シュパーン連邦保健大臣は,新型コロナウイルスのワクチン接種に関する政令を提示した。この政令は,新型コロナウイルスのワクチン接種を,誰にいつ行うかを規定しており,誰が最初にワクチン接種できるかが明確化される。

2 ワクチン接種を希望する全ての人のための十分なワクチンが無いため,高齢者施設や介護施設の入所者,80歳以上の者,及び高齢者と接する介護職員や高齢者施設職員が,最も優先度の高いグループ(第1グループ)として最初の接種対象となる。

3 連邦各州が12月27日にワクチン接種を開始する際には,上記に加え,第1グループには,集中治療,緊急治療及び救急サービスに従事する者等,新型コロナウイルスに曝されるリスクが非常に高い医療スタッフが含まれる。また,重大な疾病又は死亡に至るリスクが高い疾病の患者,例えば移植医療の患者を看護する看護師も含まれる。

4 上記の最も脆弱な人が保護された後,ワクチン接種は段階的に拡大されるが,この最初の目標を達成するには,少なくとも1~2か月が必要とされる。

5 政令によれば,次に優先度の高いグループ(第2グループ)には,70歳以上の全ての者,及び臓器移植を行った者等の重篤な疾患のリスクが高い者が含まれる。また,機動隊員のほか,要介護者・妊婦等と濃厚に接触する者も含まれる。

6 第3グループには,60歳以上の者,慢性腎臓病・慢性肝疾患・自己免疫疾患・癌等の疾病リスクが高い者,家庭医や検査機関のスタッフが含まれる。警察,消防,教育,司法分野の職員も含まれる。また,小売業の販売員に加え,季節労働者・配送センター及び食肉加工業の労働者等の困難な労働条件で働いている者も含まれる。

7 ワクチン接種の有無を問わず,対人間隔の確保,公衆衛生規則の遵守,日常的なマスク着用が全ての人に引き続き適用される。

8 ドイツに住所を有するか,日常的に滞在しているか,または,特定の介護施設で働いている全ての者は,ワクチン接種の権利を有する。

 連邦政府は,ドイツにおいて接種される全てのワクチンを調達し,その費用を負担し,連邦各州により設置される供給センターへの配布を行う。

 州政府と地方自治体はワクチン接種センター,移動チーム,現場における接種について調整する。

 州政府等は,最初のワクチン接種と日程の調整に責任を持つ。

 新型コロナウイルスについての重要な問題については,連邦保健省が対応する。

■ドイツとアメリカの共同開発ワクチンがEUで初の販売許可を取得

新型コロナに有効とされているワクチンに関しては、各種ニュースでも報道されていたように、アメリカの製薬大手ファイザー(Pfizer)とドイツ・マインツにある企業ビオンテック(BioNTec)の共同開発のワクチンがEMA(欧州医薬品庁)によって12月21日に接種のための販売許可を取得。EUにおいてはファイザーとビオンテックによるワクチンが初めて許可されたものとなります。

このほかにも、すでにEUでの使用許可を申請中の米モデルナ(Moderna)のワクチンもありますが、モデルナに関しては2021年1月に入っての許可となる見込みです。

■ドイツでは12月27日からワクチン接種を本格開始

ファイザーとビオンテックのワクチンはすでに加盟国での接種開始に向けて分配準備中。ドイツにおいてはクリスマス明けの12月27日から上記に記載した最優先の第1グループから接種開始とされています。

そんななか、ドイツのニュースによると開始予定の日より1日早い12月26日、ドイツで初めてとなるワクチン接種が行われたそうです。ドイツで最初にコロナワクチン接種を受けたのは、ハルツ地方の町ハルバーシュタット(Halberstadt)の老人ホームに入居する101歳のKwoizallaさん。

施設のスタッフによると、その日は合計40人の入居者と11人の従業員がワクチンを接種したそうです。

なぜドイツのワクチン接種開始日より早く接種できたかというと、この地域の物流がほかより早かったそうで、ワクチン到着も早まったとのこと。ビオンテックとファイザーのワクチンは3週間以内に2度のワクチン接種という流れ。次のワクチンは今日12月30日に到着予定とされています。

■ドイツのコロナワクチン接種について 最後に

今回は、ドイツで接種開始したばかりのコロナワクチンについて紹介しました。

異例のスピードで完成されたコロナワクチン。コロナの収束となればよいものの、通常時間をかけていろいろとわかるところもあるため未知数の部分もあるのは事実。変異ウイルスへの有効性などは時間をかけてわかるところもあるかと思います。

また、スムーズな接種が続くかも気になるところ。昨日、別の地域の老人ホームでコロナウイルスワクチン5回分を誤って接種されるというニュースもありました。(参考:Spiegel)コロナワクチンに関しては、今後もいろいろとアップデートがあるかと思います。

筆者

フランクフルト特派員

ユウコフランクフルト

フランクフルト在住グラフィックデザイナー。ドイツ旅行やドイツ生活に役立つ情報を発信中。

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