東海道3大難所の1つ 小夜の中山に残されし夜泣き石

公開日 : 2019年07月22日
最終更新 :
筆者 : わや猫

みなさん、こんにちは。静岡・富士特派員の、わや猫です。

さて、みなさんは、静岡県に残る、夜泣き石の伝説を、ご存知でしょうか?

~これは、静岡県西部が、まだ遠江国(とおとうみのくに)と呼ばれていた頃のお話~

とある妊婦が、峠道の途中で陣痛に見舞われ、道のかたわらにあった丸石に寄りかかって休んでいました。

すると、たまたまそこへと、1人の男が通りかかります。この男、実は、この辺りに住んでいた山賊で、最初は

妊婦を介抱していたものの、妊婦が金を持っていると知ると、妊婦を斬り殺し、金を奪って逃げてしまいました。

山賊の刀は、妊婦のお腹を切り裂きましたが、途中で妊婦が寄りかかっていた丸石にあたったため

お腹の中の赤ん坊までは刃が届かず、どうにか、赤ん坊は、一命をとりとめたのです。

しばらくして、峠のお寺に住んでいる和尚様が、赤ん坊の鳴き声を聞き、駆けつけてみると

丸石のかたわらで斬られた妊婦のお腹から、赤ん坊が産まれ出ているのを発見します。

和尚様は『こんな状態の赤ん坊の鳴き声が、お寺まで聞こえるはずがない。

きっと母親の魂が丸石に乗り移り、赤ん坊のかわりに泣いて知らせたのだろう。』

と思い、残された赤ん坊をお寺で引き取って、水飴を与えて育てたのでした。

~・・・といった感じの、お話です~

この物語の結末は、成長して鍛冶職人となった赤ん坊が、母親の仇である山賊に再開し

かたきを討つ。あるいは、和解する。といった、2パターンが伝わっているようです。

そんな物語に登場する丸石が、今でも掛川市に残されています。

その場所は、掛川市と、島田市の、ちょうど境目付近。国道1号線の脇にある、丘の上。

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小泉屋というお店の裏に、その丘の上へと続く階段が設けられていました。

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こちらが、その夜泣き石です。遠州七不思議の内の1つにもなっているそうです。

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なお現在、石が祀られているこの場所は、もともと石があったとされる峠道とは異なり

物語の舞台となった小夜の中山(さよのなかやま)は、ここから500mほど南となります。

また機会があれば、小夜の中山の方にある、夜泣石跡も見に行ってみたいです。

巨大な丸石には、山賊の刀があたってできたとされる、刀傷らしきものも見られます。

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古くは、1700年代より、同様のお話が伝えられているそうです。

東海道を行き来する旅人の間で、語り継がれていのかもしれませんね。

また、和尚様が赤ん坊に与えたとされる水飴は、子育飴として、この地方の名物になっています。

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安産祈願の祈りを込めて、小泉屋でも販売されているので、夜泣き石へ訪れた際の、お土産にいかがでしょうか。

ちなみに、小泉屋の定休日は、毎週木曜日となります。自分のように買い逃がさぬよう、お気をつけください。

小泉屋住所:静岡県掛川市佐夜鹿57-8  TEL:0537(27)1010  営業時間:8:00~18:30

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