【伊東市】池の水を抜いても捕獲できない外来生物がいた【一碧湖】

公開日 : 2020年07月09日
最終更新 :
筆者 : わや猫

こんにちは。静岡・富士特派員の、わや猫です。

静岡県伊東市にある、一碧湖(いっぺきこ)。通称、伊豆の瞳。

2.5kmほど南にある大室山と同様に、伊豆東部火山郡の活動によってできた湖です。

そんな一碧湖は、道路を挟んで西側の大池と、東側の沼池という、ふたつの池から成ります。

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池自体は道路の下を通って繋がっているのですが、それぞれが別の火山の火口だったようです。

西側の大池には、湖畔に与謝野鉄幹・晶子歌碑や、一碧湖神社が設けられており、十二連島から紅葉広場にかけては特に、秋の色づいた木々が見ものとなります。

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神社裏の池の中にも真っ赤な鳥居が建っており、このあたりは某ドラマのロケ地にもなっています。

また大池では、手漕ぎボートや、スワンボートに乗ることもできます。

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このボート乗り場の隅には、ブルーギル放流記念碑なるものも建っていました。

1960年に当時の皇太子殿下が、アメリカから寄贈されて日本へ持ち帰ったブルーギルを水産庁が食用研究したあと、繁殖させた6000匹を、1966年に一碧湖へと放流したとのことです。

外来生物が問題視されている現代では考えられませんが、当時としては貴重な食料だったようですね。

そして、もう一方の沼池はというと......こちらは池の大部分が、葦によって覆われています。

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湖畔の遊歩道を歩いていると、「モゥモゥ」と、池の中から聞こえてくる、鈍い鳴き声。

姿こそ確認できませんでしたが、どうやらこちらにはウシガエルが生息しているようです。

また、湖畔で甲羅干ししていた大きなミシシッピアカミミガメも発見しました。

なんだかもう一碧湖は、外来生物のオンパレードといった感じですね。

そのなかでも、薄暗い林の中で出会ったのが、このタイワンリス(画像の個体は、友ヶ島で撮影)。

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タイワンリスは、日本各地で観光用に放たれた過去があるそうで、ここもそのひとつでしょうか。

かわいらしい見た目とは裏腹に、農作物などに甚大な被害を及ぼす厄介な生き物とされています。

ちなみに、こちらが日本にもともといる、ニホンリスです(画像・動画の個体は、井の頭自然文化園で撮影)。

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タイワンリスに比べ、体は小さく、耳が尖り、お腹の毛が白いところが、ニホンリスの特徴です。

野生の個体は数を減らしているそうなので、なかなか遭遇する機会はないかもしれません。

自然豊かな一碧湖ですが、思いの外、外来種の多さに驚かされました。

しかし秋の紅葉時期は、特に湖畔散策に向いているので、紅葉狩りには最適な場所でしょう。

■一碧湖

・住所: 静岡県伊東市吉田815-360

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