【松崎町】伊豆石の採掘によって誕生した洞窟【室岩洞】
こんにちは。静岡・富士特派員の、わや猫です。
今回は、前回の駒門風穴に続いて、もうひとつ。観光用に整備された洞窟のお話です。
アクセスは伊豆半島の西岸に位置している、松崎町より。
南伊豆方面へ向かって国道136号線を進んでいくと、道の脇に室岩洞という案内が現れました。
詳しくは松崎町観光協会のウェブサイトに動画で解説されているので、こちらをご参照ください。
・関連ウェブサイト: 松崎町観光協会 室岩洞
ちなみに駐車場は、トイレとともに道路の反対側にあります。
ちょうど道のカーブ地点にさしかかり見通しが悪いので、横断する際は車に気をつけましょう。
案内板から先へ向かうと、道路と海の間にある斜面に遊歩道が整備されてあります。
若干きつい階段もありますが、しばらく下っていくと岩肌にポッカリと開いた室岩洞の入口へと到着。
この洞窟は江戸時代から昭和29年頃まで、伊豆石を切り出すための石切り場として使われていたそうです。
入口を入ってすぐの場所で、作業員と思わしき方が出迎えてくれました。現場監督でしょうか?
このように洞窟内には、石切り作業を行っていた方を模した人形が数体設置されてあります。
また洞窟内は照明も完備で、朝8時30分から夕方5時まで点灯されるので、ライトを持たずとも見て回れます。
なお照明が消灯される30分前の、午後4時30分が最終入場時間となっているため、お気をつけください。
さて、そんな出迎えてくれた人形の先で、ルートが左右に分岐していました。
順路は左側の道から、ぐるっと1周まわって来られるように続いています。
洞窟内の広さは約2000平方メートルありますが、遊歩道自体は180mほどと、それほど長いわけではありません。
ルート沿いには、石を切り出してできたと思われる部屋があるのですが、ここには地下水が溜まっています。
また、コウモリが飛んでいるような気配も感じたのですが、その姿を確認することはできませんでした。
採掘されていたという伊豆石は、海底火山の火山灰が積り固まってできたという、凝灰岩だそうです。
そのため耐火性に優れ、土蔵や倉庫、建物の基礎石から、かまど、長州風呂などに利用されてきました。
また石材の規格は、江戸時代と明治時代で若干異なったようで、そのサンプルも洞窟内で展示されています。
現代のような採掘器具がない時代に、手彫りで、これだけ大きな洞窟を掘り出したのですから驚かされますね。
さらにその当時は、いまのような道路も整備されてはいませんでした。
そのため掘り出した石材は、洞窟の奥を出た先にある展望地より、海まで下ろしていたそうです。
この石を運んだ道は、石引道や石出し道。船積みする場所は、払い場や浜丁場と呼ばれていました。
伊豆にはほかにも石切場跡がいくつかあり、それらの地名にはいまでも、これらの名前が残されています。
とまあ移動中に偶然よることとなった室岩洞ですが、意外にも伊豆の歴史の一端にふれる機会になりました。
なお2018年には伊豆半島ジオパークの一環として、国内9地域目の世界ジオパークにも認定されています。
入窟料無料の、見て回りやすい観光洞窟なので、西伊豆方面へ訪れた際には、ぜひ確認してみてください。
■室岩洞
・住所: 静岡県賀茂郡松崎町
・照明点灯時間: 8:30~17:00(入窟は16:30まで)
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