孫文ゆかりの蓮が見ごろです ~ 長府庭園
こんにちは、「地球の歩き方」福岡特派員のDukeです。今日は、山口県下関市の長府庭園を紹介します。
昨日(7月16日)関門海峡を越えて、孫文ゆかりの蓮(はす)がきれいな長府庭園に行ってきました。長府庭園は、長府毛利藩の家老格、西運長(にしゆきなが)の屋敷跡で、鯉が泳ぐ池を中心に、8畳と15畳の和室がある書院や東屋、蔵や茶室が残されるなど、静かな佇まいが今も保たれています。
園内に入ると芝生広場の先に見えるのが書院、その正面に回遊式庭園が広がっています。四季折々の花が咲きますが、とりわけ、毎年7月上旬から下旬にかけて開花する孫文蓮(そんぶんれん)は見ごたえがあります。
孫文蓮は直径約20センチとかなり大輪の蓮で、純白の花びらにピンクの縁どりが特徴です。
この蓮は、孫文が下関市長府の実業家 田中隆氏に贈った4粒の蓮の実のうち、唯ひとつが発芽したもの。植物博士で蓮の権威であった大賀一郎氏が、育成し発芽させたのだそうです。
台湾では「国父」、中国では「革命の父」として敬われる孫文は、革命活動の中で(数度の亡命も含めて)何度も日本を訪れ、多くの日本人と親交を結びましたが、田中氏もそうした友人の一人でした。
中国では、蓮は君子の交わりを象徴し、同志の契りを表すのだそうです。孫文が贈った蓮の実は、田中氏の友情と支援に対する礼を示したものなのでしょう。
蓮のつぼみで、シオカラトンボがひと休み。このほかにもアキアカネやギンヤンマなどが飛び交い、この池はトンボの楽園になっているようでした。
モネの庭を連想させるような風景です。
池には、ピンクや黄色の睡蓮も咲いていました。
あでやかなピンク色の蓮。二千年前の日本の古代蓮の種を、大賀博士が発芽・開花させたもので、博士の名を冠して「大賀蓮」と呼ばれます。
池の周囲を散策すると、また違った風景に出会えます。左側の太鼓橋の奥に見えるのが東屋です。
対岸から見る書院。ガラス戸で囲まれた広縁は開放感たっぷりです。
一の蔵(左)の1階は売店になっており、下関銘菓や小物などを扱っているほか、冷たいラムネやソフトクリームで涼むこともできます。2階は下関で活躍されている作家さんの作品の展示販売が行われているそうです。二の蔵(右)には、観光資料などが置いてありました。
朝のうちは曇りがちでしたが、お昼前には雲も切れてきたので、帰りに火の山公園に立ち寄りました。
関門海峡に広がった梅雨の晴れ間。
火の山は、関門海峡を一望するには最高の場所。3月中旬から11月下旬まで運行(火・水曜を除く)しているロープウェイからの眺めもお勧めです。
ここにはかつて砲台が置かれていました。土塁や弾薬庫などが今も残っています。
木陰でひと休みできるベンチなども設置してありました。登山道もありますので、山麓に車を止めて、歩いて登ることもできます。
夜明けとともに咲き始め、午後には花を閉じる孫文蓮は、これを数日繰り返し、4日目にはすべての花弁を落として花托になります。ひとつひとつの花は数日で終わりますが、シーズン中は約150輪の孫文蓮が、次から次に開花するのだそうです。新聞記事によれば、8月上旬までは楽しめそうとのことでした。7月27日・28日は、早朝の開花に合わせて朝5時に開園されます。
【長府庭園】
○場所:山口県下関市長府黒門東町8番11号
○開園:09:00~17:00 (7月27日・28日は05:00~17:00)
○入園料:一般200円、小中学生100円
○休園日:12月28日~1月4日
○電話:083-246-4120
○アクセス:下関駅・新下関駅からバス20分。「下関市立美術館前」から徒歩1分。
○駐車場:無料(235台)
筆者
特派員
Duke
縁あって福岡県北九州市に落ち着いて、はや15年。県外の方はもちろん、地元の方にも楽しんでいただけるよう、福岡・北九州の旬な情報を発信していきたいと思っています。
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