地球が育んだ生命の歴史を知ろう ~ いのちのたび博物館

公開日 : 2019年07月05日
最終更新 :
筆者 : Duke

こんにちは、「地球の歩き方」福岡特派員のDukeです。今日は、北九州市八幡東区にある「いのちのたび博物館」と「北九州イノベーション・ギャラリー」を紹介します。

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いのちのたび博物館は「自然史ゾーン」と「歴史ゾーン」に分けられ、更に細部のカテゴリーごとに整然と展示されています。まず最初に驚かされるのは、古生代、中生代、そして新生代という時間軸に沿って展示された、自然史ゾーンのアースモール。それぞれの時代を代表する生物の骨格標本(主として恐竜)は、見る人を圧倒するほどのスケールです。

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一番手前は、最強の肉食恐竜ティラノサウルス。骨格だけにもかかわらず、その存在感、迫力がヒシヒシと迫ってくるようです。

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アースモールの中央付近から、洞窟のような通路を通って辿り着いた先はエンバイラマ館の白亜紀ゾーン。ジオラマや映像、緻密な恐竜の動きや声、微妙に変化する音や風、館内スタッフのナレーションにいざなわれて、太古の昔の北九州(1億3,000万年前)にタイムトリップできる迫真の空間です。

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こちらはリサーチゾーン。上の白亜紀ゾーン復元の過程を、発掘から調査研究の紹介や実物や標本をふんだんに使って展示しています。

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北九州の自然や、そこに暮らす生物などを紹介するコーナーもあります。

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外から想像する以上に広い館内。細部まで見ていると、かなり時間がかかります。ところどころに休憩スペースがありますから、有効に活用しましょう。

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こちらは1969年、アポロ11号に続いて二度目の月面着陸を果たしたアポロ12号が、地球に持ち帰った月の石。溶岩が冷え固まってできた玄武岩です。2017年12月31日に閉館となるまでスペースワールドに展示されていたもので、ほぼ1年後の2018年12月22日、再び北九州市に帰ってきました。

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いのちのたび博物館では、7月13日(土)から9月16日(月・祝)まで「両生類・は虫類の世界」展が開催されます。500種もの種類の両生類・は虫類が展示され、そのうち100種は生物展示だそうです。イリエワニ、レオパ(ヒョウモントカゲモドキ)やケヅメリクガメなどもやってきます。好きな人にはたまらないイベントになりそうですね(笑)

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続いてイノベーション・ギャラリーに行ってきました。駐車場はどちらも共通です。今週末(7月7日)まで「すごいぞ! そっくり展 ~食品サンプルからゴッホまで~」が開催中です。

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会場に入ると、まずは定番の食品サンプル。本物と見まごうばかりの作りです。本物とニセモノを見分けるクイズもあって、大人も子供も楽しめます。

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義足や義手などの医療関連器具も展示されていました。医学・医療の世界は日進月歩。技術の進歩がもっとも著しい分野のひとつです。

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美術品の再現作品で有名な大塚国際美術館から出品された、実物は焼失したゴッホの幻の「ヒマワリ」、ミレーの「オフィーリア」、キトラ古墳壁画の複製など。手で触れることもできます。絵の具の厚みなどもきちんと再現されていました。大塚美術館では、このような再現作品を作成するにあたって、著作権などの問題をクリアーするのに、ほぼ10年を費やしたそうです。

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細かい部分まで忠実に再現された、実物そっくりの鉄道模型。こちらも、ファン垂涎の作品だと思います。

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生き物の持つ不思議で優れた機能を応用した技術も紹介されていました。ハスの葉から撥水技術、サメの肌から競泳水着、ミツバチの巣からハニカム構造が生まれたんですね。

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流線型のカワセミの頭部から新幹線500系の先頭車両。空気抵抗を減少させ、静かに飛翔するフクロウの羽からパンタグラフ。このほかにも、雨や空気中の水分で汚れを落とすカタツムリの殻から住宅用のタイルが作り出されたのだそうです。

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このリアルな魚はジャイアント・トレバリー。タレントの清水国明さんがバリ島で釣り上げた魚を加工したもので、こちらはニセモノではなく本物です(笑)

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イノベーションギャラリーの一角では、「北九州市から世界へ~フィギュアの原型師 岩倉圭二の仕事展」も行われていました。こちらも「すごいぞ! そっくり展」と同じく、7月7日までの展示となっています。

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驚くほど緻密なフィギュア原型が約300点展示されていました。

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石炭と鉄で日本の産業発展の一角を担ってきた北九州市。「モノづくり」の歴史と技術を次世代に伝えるために、北九州市は「北九州マイスター」制度を創設して、その技術を称えるとともに活動を支援しています。

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「いのちのたび博物館」の正式名称は「北九州市立自然史・歴史博物館」と言います。元々あった北九州市の「歴史博物館」「考古博物館」「自然史博物館」の3館を集約するとともに、新たに20世紀の北九州市を支えた産業の歴史を加え、太陽系の誕生に始まる地球の歴史を展示する場所として、2002年にオープンしました。北九州市は、石炭と鉄が作った工業都市北九州の中心であった八幡東区東田地区を、いのちのたび博物館、環境ミュージアム、イノベーションギャラリーを中心とする「東田ミュージアムパーク」として、この地に凝縮された北九州市の歴史や文化を伝え、更に発展させようとしています。近くには、北九州市立美術館や、遊びながら科学や天文について学べる児童文化科学館もあり、夏休みの一日、家族みんなで東田地区をぐるっと巡って、北九州の歴史や文化に浸ってみるのも楽しいと思います。

【いのちのたび博物館】

 ○開館:09:00~17:00

 ○休館日:毎年6月下旬頃(害虫駆除のため。約1週間)、年末年始

 ○観覧料(常設展):一般600円、高校生以上の学生360円、小・中学生240円、小学生未満無料

 ○駐車場:普通車100円/30分(4時間以上は一律800円)

 ○アクセス:JRスペースワールド駅から徒歩5分

【北九州イノベーションギャラリー】

 ○開館:平日/9:00~19:00 土・日・祝日/9:00~17:00

 ○休館日:月曜(月曜日が祝日、休日の場合は翌日)、年末年始

 ○観覧料:無料(企画展は有料)

 ○駐車場:普通車100円/30分(4時間以上は一律800円) いのちのたび博物館と共通

 ○アクセス:JRスペースワールド駅から徒歩5分

筆者

特派員

Duke

縁あって福岡県北九州市に落ち着いて、はや15年。県外の方はもちろん、地元の方にも楽しんでいただけるよう、福岡・北九州の旬な情報を発信していきたいと思っています。

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