ノスタルジックな散歩道 ~ 若松南海岸通り

公開日 : 2019年08月03日
最終更新 :
筆者 : Duke

こんにちは。「地球の歩き方」福岡特派員のDukeです。今回は、北九州で私が好きな風景のひとつ、若戸大橋と若松南海岸通りを紹介します。

南海岸通りから望む若戸大橋。青い空と洞海湾のマリンブルーに、赤い若戸大橋が映ますね。力強さを感じさせる2本の主塔と優美な曲線を描くメインケーブルがきれいです。

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海沿いの塀に描かれた波とカモメのタイル画。こんな絵があるだけで、無機質な壁がイキイキと感じられ歩いていて楽しくなります。

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ここは洞海湾沿いに石畳の遊歩道が続く若松南海岸通り。「若松バンド」と呼ばれることもあります。この付近には明治・大正時代の建物が残されており、かつて日本一の石炭積出港として繁栄した若松の歴史を今に伝えています。写真は、赤煉瓦が印象的な旧古河鉱業若松ビル。左右の端正な壁面と、それを繋ぐ中央の円塔が調和して、堂々としていながら優美さが感じられる建物です。

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このビルの1階事務所では、天然酵母を使用した丸屋のあんぱんを販売しています。モチモチッとした食感が人気で、売り切れになることも多々あります。残念ながら、この日もすでに・・・・・・。

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遊歩道沿いに置かれたベンチ。正面に見えるのは、若松と戸畑の間をおよそ5分で結ぶ若戸渡船の若松側渡し場です。

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「ぽんぽん船」の愛称で親しまれている若戸渡船。若戸大橋ができる前は、この渡船が若松と戸畑を結ぶ唯一の交通手段でした。自転車と一緒に乗れるので、通勤通学にはとても便利です。

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渡し場の向かいには、旧三菱合資会社若松支店として大正2年(1913)に建設された上野海運ビルがあります。外観も内部もかなり老朽化していますが、まだ現役で上野海運のほか、いくつかのテナントが入居しています。6年前に国の有形文化財建造物として登録されました。

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洞海湾にせり出す、遊歩道沿いのウッドデッキ。気候の良い時期は、ベンチに座って潮風を感じながら、海を眺めたり本を読んだりするのもよさそうです。

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遊歩道に沿って、船を繋留するボラードや鎖、錨などをモチーフにした防護柵が設置され、港らしい雰囲気を醸し出しています。上着を肩にかけて、ボラードに片足を載せれば、誰でも石原裕次郎になった気分を味わえるかもしれませんね(笑)

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こちらは、明治38年(1905年)に建築された若松石炭会館。南海岸通りでは最も古い建物です。1階には天然酵母のクロワッサンで知られる三日月屋が入っているため、駐車場はいつも混みあっています。

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南海岸通りとは少し離れますが、国道495号線を北に歩いて若戸大橋を過ぎたあたり、恵比須市場の裏手にある丸窓天ぷら店。

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魚のすり身を揚げた天ぷらは、食感ふわふわ。揚げたてはとりわけ美味しくて、若松に来たときには必ず立ち寄る店です。売り切れることも多いので予約したほうが無難です。(電話:093-751-0108)

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今回紹介した若松南海岸は、北九州の歴史を感じることができるお勧めの散策路です。近辺には、個性的で美味しい店も多いので、露地伝いにあちこち歩いてみるのも楽しいと思います。

また南海岸とは反対側、響灘に面した若松北海岸は玄海国定公園の東の玄関口であり、岩盤が特徴的な千畳敷、妙見崎灯台がある遠見ヶ鼻など、風光明媚な海岸線が続いています。海水浴場や釣り桟橋もあり、四季折々の花や動物とのふれあいを楽しめるグリーンパークなど、いろんな楽しみ方ができるエリアです。さらに芦屋町まで足を延ばせば、春から夏の風物詩、岡湊神社のなんじゃもんじゃの木や夏井ケ浜のはまゆうなども見逃せません。また、今が旬のヤリイカ(「あしやんいか」と呼ばれる芦屋特産のイカ。町内の飲食店で食べられます)に舌鼓を打つのもいいですね。

【若松南海岸通り(旧古河鉱業若松ビル付近)へのアクセス】

 ○車:若戸大橋から車で約2分

 ○JR:若松駅から徒歩約9分

 ○北九州市営バス:大橋通りバス停から徒歩約7分

 ○若戸渡船:若松渡場から徒歩約2分

筆者

特派員

Duke

縁あって福岡県北九州市に落ち着いて、はや15年。県外の方はもちろん、地元の方にも楽しんでいただけるよう、福岡・北九州の旬な情報を発信していきたいと思っています。

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