『日本の切り絵 5人のミューズ』@北九州市立美術館分館

公開日 : 2020年01月21日
最終更新 :
筆者 : Duke

こんにちは、『地球の歩き方』福岡特派員のDukeです。今日は、北九州市立美術館分館(リバーウォーク5階)で開催中の企画展『日本の切り絵 5人のミューズ』を紹介します。この展覧会では、日本を代表する女性5人の切り絵アーティスト、蒼山日菜さん、筑紫ゆうなさん、酒井敦美さん、柳沢京子さん、松原真紀さんの作品を展示しています。

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切り絵は、ハサミやナイフで紙を切って描く絵画。確立された定義や技法というものは存在しないため、無限の可能性を秘めたアートだといわれます。作家の感性や個性が生み出す作品は、その独創的な世界観を体現しているといえるでしょう。現代の切り絵は私の想像を遥かに超えて、息をのむほどの繊細さ、華麗さでした。

◎蒼山日菜さんは、レースのように細く優雅で繊細な作品。フランスの哲学者・ヴォルテールのテキストをハサミだけで切り上げた文字の切り絵は、文字と文字をつなぐ線が蔦が絡まるようで、その繊細さに見入ってしまいました。蒼山さんは2010年、Newsweek誌の「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれたそうです。

◎温かみのあるファンタジックな世界を、切り絵と絵画のコラボレーションで描く筑紫ゆうなさん。故・筑紫哲也氏(ニュースキャスター)のお嬢さんだそうです。

◎酒井敦美さんは、光の当て方で1枚の絵が別の絵に見える「一画二驚(いちがにきょう)」という手法。一枚の作品の中に物語性が感じられる光の切り絵でした。

◎長野県の美しい風土をモチーフにした切り絵を作り続ける柳沢京子さん。ドイツ各地やニューヨークでも多くの個展を開いています。

◎松原真紀さんは、季節の草花や動物の作品を多く手掛けており、固定観念にとらわれない独創的な作品が多くありました。

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会場入口に展示されていたPaper Jewelyデザイナー古堅(ふるげん)ちひろさんの作品。ここは写真撮影OKです。

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天井から吊り下げられていたのは、特殊な紙でできたネックレス。

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古堅さんご自身が金属アレルギーだったため、100%紙でできたアクセサリー「Paer Jewely」を考案されたのだそうです。

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これらのPaper Jewelyは、耐久性や耐水性、軽量性などを兼ね備えた特殊紙で作られています。

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壁に飾ってあるのは、鳥をモチーフにした指輪です(古堅さんの作品は、展示期間中、ミュージアムショップで販売されています)。

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古くて新しいアート、切り絵。その発想や技法の進化には目を見張るものがあり、もはや「切り絵」という概念を越えているようにも思えます。その点こそ、切り絵が「無限の可能性を秘めたアート」と言われる所以なのでしょう。写真で紹介できないのが残念ですが、作品の緻密さ、繊細さを目の当たりにすれば、だれしも驚き、感動を覚えると思います。北九州市立美術館分館企画展『日本の切り絵 5人のミューズ』は1月4日(土)から3月1日(日)まで開かれています。この機会にリバーウォークに足を運び、切り絵アーティストの魅力的な作品を体感してみてはいかがでしょうか。

【北九州市立美術館分館】

〇場所:北九州市小倉北区室町1-1-1 リバーウォーク5階

〇問合せ:093-562-3215

〇開館時間:10:00~18:00

〇アクセス:JR鹿児島本線西小倉駅から徒歩5分、小倉駅から徒歩10分

筆者

特派員

Duke

縁あって福岡県北九州市に落ち着いて、はや15年。県外の方はもちろん、地元の方にも楽しんでいただけるよう、福岡・北九州の旬な情報を発信していきたいと思っています。

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