これで最後!?折尾駅鹿児島本線高架メモリアルウォーク!!

公開日 : 2020年04月01日
最終更新 :
筆者 : Duke

こんにちは、「地球の歩き方」福岡特派員のDukeです。今日は2020年2月11日に行われた、使用開始前の鹿児島本線の高架橋を歩くイベント「これで最後!?折尾駅鹿児島本線高架メモリアルウォーク!!」のレポートです(写真は、暫定鹿児島本線ホーム下の工事フェンスに描かれた銀河鉄道999のイラスト)。

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明治24年(1891年)に別々の場所で開業した九州鉄道と筑豊興行鉄道の折尾駅が、明治28年に1ヵ所に統合。1階に筑豊興行鉄道、2階部分に九州鉄道が乗り入れることによって、日本初の立体交差駅が誕生しました。

写真は工事開始前の折尾駅の立体交差。上には鹿児島本線の特急ソニック、地上には若松線の普通列車が停車しています。

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折尾駅にはさらにもう1本、鹿児島本線の黒崎方面と筑豊本線(福北ゆたか線)の直方方面を結ぶ短絡線という路線があり、不便なことに、本体の折尾駅とは南東に数10メートル離れた場所(鷹見口)にホームがあるんです。

2006年からこれらの路線をすべて高架化する工事が始まり、2017年には鹿児島本線、2019年には筑豊本線(若松線)が高架化(この時点で立体交差は解消)されました。残るは短絡線の高架化で、これが終了すれば一連の連続高架化事業が完了(予定は2021年度)するという最終段階にあります。

折尾駅高架化に伴う完成間近の高架橋の上を歩くウォーキングイベントは過去にもありましたが、今回「これで最後!?」と付言されたのは、短絡線の高架化をもって事業が完成し、高架橋を歩くチャンスがなくなる可能性が高いからなのです。

さて、それでは新しい高架橋ウォーキングに出発しましょう(右に見えているのが新しい高架橋です)。

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折尾駅東口から東に500~600m歩いたところに、高架橋に上がる仮設階段(手前が上り、奥が下り用)が設置されていました。ここから先はヘルメット着用です。

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真新しい高架橋。まだレールなどは敷設されていません。左側を走る暫定鹿児島本線が、いずれこの新しい高架橋に切り替えられます。

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現在の鹿児島本線の暫定ホーム。ここが将来、短絡線のホームとなります。写真には写っていませんが、この右側(北)を筑豊本線(若松線)が走っていて、この正面で折尾駅に合流しています。

工事が終わっているのはここまで。ウォーキングもここでUターンです。

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黒崎方面に向かって、いま歩いたコースを引き返します。

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タイミングよく、鹿児島本線下りの特急ソニックが通り過ぎていきました。

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今度は上り、小倉行きの普通列車が折尾駅を発車。走っている列車をこのアングルから間近に見る機会は貴重です。

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東側も工事が完了しているのはここまで。短絡線の高架化完了はもう少し先のようですね。

今年度中に鹿児島本線が新高架橋に切り替えられ、短絡線の切り替えは2021年度に予定されているそうです。

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この短絡線が高架化されて現在の鷹見口ホームが本体の折尾駅と一体化すれば、北から筑豊本線、鹿児島本線、短絡線と、すべての路線が同一フロアで横並び(4面7線)となり、立体交差時代の不便な面が解消され、乗り換えが便利な折尾駅に生まれ変わります。

東口にあった懐かしい旧駅舎の写真です。明治28年(1895年)当初の駅舎をベースに増築されたもので、「明治と大正のモダンな建築様式を重層的にうかがい知ることができる」建築物でした。日本の近代建築の父と呼ばれる辰野金吾の設計といわれています。この駅舎の保存移築を求める声もありましたが、最終的には解体して新しく駅舎を建設することになりました。新駅舎は、旧駅舎のイメージをできるだけ残した外観になるように設計されています。

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東口改札の待合に置かれていた、レトロ感あふれる円形ベンチ。1916年の完成から2012年に折尾駅が解体されるまでの96年間、どれだけの人たちがこのベンチで袖を擦りあわせてきたことでしょう。(こうした旧駅舎のシンボリックな部材の一部は、八幡西区役所折尾出張所で公開されているそうです)

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こちらは東口の堀川沿いの飲み屋街(私は勝手に「飲んべぇ横丁」と呼んでいました)。仕事帰りの「ちょっと一杯」が似合う気さくな通りで、黄昏時はとりわけいい風情でした。この通りも折尾駅再開発事業に伴う区画整理の対象となっており、2021年度中の移転が計画されていると聞きます。ノスタルジックな雰囲気を今に残すこの通りが、今後どうなっていくのかが気にかかるところです。

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当初2017年度とされていた新駅舎の完成は、用地の取得などに時間を要したため立体交差解消事業とともに大きく遅れが生じましたが、鹿児島本線と筑豊本線(若松線)が分岐する部分に建設され、今年度中の開業を予定しています。完成すると、現在は東口・西口・北口・鷹見口と分散している改札口が新駅舎の1ヵ所に集約されます(駅への出入口は南北の2ヵ所)。

今は北口にあるバスターミナルは南口(今の東口付近)に移転し、駅の南北両サイドにはイベントも開催可能な広場が作られる予定です。

折尾駅は、JR鹿児島本線のすべての特急列車が停車するほか、筑豊本線(若松方面、直方方面)との乗り換え駅でもあります。連続高架化や新駅舎の完成によってさらに利便性が向上し、駅周辺再開発事業と相まって、周辺一帯がますます住みよい町になるといいですね。

筆者

特派員

Duke

縁あって福岡県北九州市に落ち着いて、はや15年。県外の方はもちろん、地元の方にも楽しんでいただけるよう、福岡・北九州の旬な情報を発信していきたいと思っています。

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