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イタリア/ジェノバ特派員ブログ 浅井まき

イタリア・ジェノバ特派員が現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。


2018年より約1年間、ジェノバ特派員として活動させていただきましたが、このたび、大学院修了に伴い帰国することとなりましたので、地球の歩き方特派員としての活動を辞退させていただくことといたしました。
短い期間ではございましたが、ご購読いただきまことにありがとうございました。
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本記事が最終回となりますが、今回はイタリアの大学院事情について少しお話します。
イタリアの学校制度は小学校(5年)、中学校(4年)、普通高校(5年)、大学(3年)、大学院(2年)というのが一般的です。日本より1歳早く小学校が始まりますが、大学に入るのは日本より1年あとになります。
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(ジェノバの世界遺産「ロッリ制度の邸宅群」はとてもフォトジェニック!→詳細 )


イタリアの大学のほとんどは国立大学であり、医学部、建築学校など人数制限のある学部を除けば入試はないのが普通です。日本ほど大学ごとのレベル差はないため、専攻したいコースがあれば地元の一番近い大学に通います。

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(スピアナータ・カステッレットからはジェノバの街が一望できる。インスタ映えスポットも→詳細 )


試験は多くが口頭試問形式で行われます。学生はあらかじめ定められた試験日程の中から自分の受験したい日を選択し、決められた場所に集合します。教授はひとりずつ、または数人ごとに学生を前に呼び、20分程度の口頭試問を行います。順番待ちのため、試験はかなりの長丁場になることもしばしば。点数も即時大勢の前で告知されるため、なかなかのプレッシャーです。
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(カモッリ、サン・フルットゥオーゾは"小チンクエ・テッレ"として地元では有名→詳細 )


卒業論文は学生それぞれが自分の研究テーマを定め、最も近い分野を専門とする教授を探して指導を仰ぎます。大学院では120ページ程度のボリュームが必須となります。
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(ポルトフィーノで優雅なひとときを→詳細 )


論文が書けたら、卒業試験の日程を調整します。イタリアでは卒業式がなく、年に数回ある卒業試験期間に審査を受け、卒業していきます。
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(セストリ・レヴァンテのビーチはイタリアでも指折りの美しさ→詳細 )


卒業試験では数名の教授陣の前で研究内容を発表したのち、質疑応答を行います。卒業式がないとはいえ人生の一大イベントなので、学生は家族や友人を招いて試験に臨みます。審査を経たのち、成績の告知と学位の授与を受けます。大学の成績は110点が満点ですが、「満点以上(110/110 e lode)」という評価が存在します。一般に100点以上であれば成績良好とみなされるようです。
試験をパスしたら家族や友人から花束と月桂冠がプレゼントされます。イタリア語で卒業はラウレア(laurea)であり、月桂冠を表す語と同じです。
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(世界遺産チンクエ・テッレ→詳細 )


2015年の秋に渡伊したのち、紆余曲折ありましたが、私も無事修了をむかえ、友人たちに月桂冠を贈ってもらうことができました。ジェノバという素晴らしい街で学べたことを誇りに思います。
本記事をもって特派員としての活動は最後となりますが、少しでもジェノバの魅力をお伝えできていれば幸いです。
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(ジェノバの"宝石"、ボッカダッセ→詳細 )


2019年5月 7日

10連休も近づいて参りました。明日から旅行に出発という方も多いと思います。
イタリアも観光オンシーズンにさしかかり、先日のイースター休暇の期間にはジェノバもかなりの人出がありました。

さて、今回ご紹介するのは町中の喧騒から離れ、心静かなひと時を過ごせる場所です。
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郊外に位置する美しい墓地

ヨーロッパで最も有名な記念墓地のひとつにも数えられるスタリェーノ記念墓地はジェノバの中心部からバスで40分ほどの内陸のVal Bisagno地区にあります。
古くは19世紀から建設された墓地には多くの著名人が眠っており、またその美しさからマーク・トウェインなど多くの文化人が訪れたと言われています。
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花屋の並ぶ入口を抜けて中に入ると、壮麗な彫刻に彩られたたくさんの墓が並んでいます。ひとつひとつが非常に凝った造りになっており、まさしく屋根のない美術館です。





案内板を見ながら散策しましょう

墓地は非常に広く、林の中にも広がっています。敷地内に数多く設置された案内板を見ると、効率よく散策できるルートが提案されています。また、著名人の墓の場所は入口付近にエリアが示されているので、先に確認したほうがよいでしょう。
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(墓地の中心にそびえる”パンテオン”)
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(マッツィーニの墓)


ここに埋葬されている有名人にはイタリア統一運動の三傑のひとりジュゼッペ・マッツィーニ(Giuseppe Mazzini)や”カンタウトーレ”のファブリツィオ・デ・アンドレ(Fabrizio De André)、イタリア国歌「マメリの讃歌(Inno di Mameli)」の作曲者であるミケーレ・ノヴァロ(Michele Novaro)などがいます。


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自然に囲まれた緑豊かで静かな立地と素晴らしい彫刻の数々は一見の価値ありです。専用アプリによるガイドが利用できるほか、土曜または日曜(隔週)には有料でガイド付きツアーも開催されています(※詳細は以下へ)。ジェノバの隠れた名所にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

スタリェーノ記念墓地(Cimitero monumentale di Staglieno)

所在地:Piazzale Resasco, 16100, Genova

入場料:なし

開放時間:7:30~16:30 
     ※悪天候の場合は閉鎖の可能性あり
     ※12月25日と復活祭の祝日は13:00まで

案内アプリ:ARTOURアプリ(オフライン利用可)
      Google Play
      または
      App Store
      よりダウンロード可。

ガイドツアー:予約不要。
       開催日のツアー開始時刻に墓地入口に集合。所要時間は1時間半程度。
       チケットは現地または市内の観光案内所で入手可。料金€5.00(大人1名)。
       ※開催日、時刻等の詳細はホームページを確認してください。


2019年4月26日

平成から令和への移行が近づいてまいりましたね。5月の10連休を利用して海外旅行をされる方も多いことと思います。
そんななか、連休中にジェノバを訪れるという方には大変な朗報です。今年春のRolli Daysがこの5月3~5日に行われることが発表されました!




Rolli Daysとは

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(ニコロジオ・ロメリーノ宮の庭園。ガリバルディ通り)


Rolli daysとは、毎年春・秋に開催されている、ジェノバの世界遺産「ストラーデ・ヌオーヴェとロッリ制度の邸宅群」をPRするためのイベントです。
「ロッリ制度の邸宅群」とは、公設の迎賓施設を持たなかった16世紀のジェノバ共和国において、共和国を訪問する外国の賓客を滞在させる場所を確保するべく、市内の貴族たちの邸宅をランク分けして「ロッリ(≒登録簿)」に登録し、その中から賓客らの滞在場所を指定した制度です。外国の政府や有力者を相手に銀行業を営んでいた貴族たちは、「私はいつでも融資できるだけの資産がある」とアピールするべく、新たに整備された「新通り」で購入した区画に、競って目を引くような美しい邸宅を建設しました。
こうした邸宅群のうち43の邸宅が世界遺産に登録されています。
これらの邸宅群は現在では店舗やオフィスなどに利用されている場合が多く、普段は一般公開されていないものがほとんどですが、Rolli daysではその一部を見学することができます。Pic.40-3.JPG
(王宮、スピノラ宮も無料公開)





Rolli Days2019春の見どころは

通常のRolli Daysは土日の2日間なのに対し、今回のイベントは金曜~日曜の3日間にわたり行われる点がポイントです。ただし、邸宅群を実際に見学できるのは4、5日の二日間となります。3日の金曜日にはボスケット修道院の特別公開ほか様々な催しが企画されています。
Rolli Daysではロッリ制度の邸宅群のほかにも、ジェノバ市内に点在する史跡や旧貴族のヴィラ、教会などさまざまなスポットで特別公開や展示が行われます。
今回は初公開のものも含め市内郊外にある8つのヴィラが一般公開されます。市内中心部のロッリの邸宅とは一味違い、広大な敷地と庭園を備えたヴィラを訪問するのもおすすめです。
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(ヴィラ・デル・プリンチペ)


また、昨年8月の”モランディ橋”の崩落事故を受け、事故のあったヴァルポルチェヴェラ(Valpolcevera)地区の活性化を図るべく、今回のRolli Daysでは同地域の複数の施設が一般公開されることとなりました。
とくにボスケット修道院(L’Abbazia del Boschetto)の特別公開は注目です。長年の修復を終え今回初めて公開されることとなりました。

※修道院の見学は4月30日14時(イタリア時間)までに電話予約必須です。
TEL: (+39)010/5574883
   (+39)010/5574837
   (+39)320/4348814 (平日10‐14時)
見学者はジェノバ市中心部のFontane Marose広場からの送迎バスを利用できます。
詳細はホームページへ→http://www.visitgenoa.it/rolli-days-maggio-2019-val-polcevera





ここだけは見逃せない、必見ポイント3選

Rolli Daysで公開される邸宅は全部で28軒。ヴィラや教会等を合わせると2日間ではとても回り切れません。
そこで、私の独断ではありますが、ここだけは見逃せない必見スポットをまとめましたので、ご参考にしてください。

  • 1.ガリバルディ通り(Via Garibaldi)

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    世界遺産ジェノバの中心であるガリバルディ通りはやはり鉄板ですが、Rolli Dayでは普段公開されていない邸宅を見ることができます。
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    とりわけ注目なのはトビア・パラヴィチーノ宮(Palazzo Tobia Pallavicino)。16世紀半ばに建設された邸宅で、現在は商工会議所となっています。ジェノバに残るロココ装飾のうち最高傑作と言われるギャラリーをぜひ現地でご覧ください。


  • 2.ジェノバ大学(Via Balbi)

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    バルビ通りにあるジェノバ大学のキャンパスもまたロッリに登録された邸宅を利用しています。普段は学生や教授が行き来する場所ですが、Rolli Dayには一般開放されています。大学らしく掲示物や自販機などが設置された地階とは打って変わり、上階には往時のままの壮麗な内装が残っています。案内係に従っての見学となりますが、英語が話せるスタッフもいます。


  • 3.カリージェ銀行コレクション(Via Cassa di Risparmio 15)

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    ジェノバを拠点とするカリージェ銀行(Banca Carige)はイタリアの地銀の中では上位の規模を誇る銀行ですが、Rolli Daysでのみ見ることができる、そうそうたる絵画コレクションも有名です。ヴェロネーゼ(Paolo Caliari, Veronese)ら有名画家の作品を含むコレクションももちろんですが、同行本部ビルの最上階にあるサロンからはジェノバの中心部が一望できます。


    Rolli Days maggio 2019
    2019年5月3、4、5日10時~
    ホームページ→http://www.visitgenoa.it/en/node/25312


    2019年4月12日
    2019年4月 2日
    2019年3月25日
    2019年3月12日
    2019年3月11日
    ⇒すべての記事を見る

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    • 特派員プロフィール
    • ジェノバ特派員

      ジェノバ特派員
      浅井まき
      大学卒業後、社会人を経て2015年渡伊。イタリア北部リグーリア州の港町ジェノヴァに住み始めてはや3年目。現在はジェノヴァ大学の大学院史学研究科に在籍。日本と大きく異なるイタリアでの大学院生生活に四苦八苦しつつ、17~18世紀のジェノヴァ共和国に関する研究を行っている。自分の専門以外にも西洋史全般、美術、現代音楽、グルメ、スポーツなどへの関心大。晴れた休日には近郊へ写真撮影に行くのが楽しみ。 DISQUS ID '@disqus_n3hiU5o4o9

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