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イタリア/ジェノバ特派員ブログ 浅井まき

イタリア・ジェノバ特派員が現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2018年4月27日

ジェノバを訪れる最高のタイミングとは?


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ジェノバを訪れる最高のタイミングとは?

今回の記事では世界遺産・ジェノバを最もお得かつ最大限に満喫できるイベントについてご紹介します。
その名も、「Rolli Days」!
毎年2回、春(4~5月)と秋(9~10月)に行われるもので、年によって日程は異なります。2018年は5月19-20日、10月13-14日に行われます。
どんなイベントなのか、ご紹介する前に世界遺産「ジェノバのストラーデ・ヌオーヴェとロッリ制度の邸宅群」についてお話ししておきましょう。

「ロッリ制度」とは?

Pic.2-1.JPG (ペールブルーの外壁が上品なニコロジオ・ロメリーノ邸[Via Garibaldi 7]。裏手には庭園もあります)


「ロッリ制度」とは、日本が戦国時代だった頃、ジェノバが独立した共和国としてリグーリア地方を支配していた時期に開始された政策です。「ロッリ」はジェノバの方言で「登録簿」のこと。共和国政府は市内にある有力貴族たちの私邸をこの「ロッリ」に登録したのです。
なんの目的で?
ジェノバを公式訪問する外国の客人を滞在させるための屋敷を、その都度この中から選ぶためです。

金融業で栄えた近世のジェノヴァ

Pic.2-2.JPG (狭い路地の先にあるインペリアーレ邸[Vico di Campetto 8/a]。1階にはアンティーク店が入っているが、見事な内装が残っています)


ジェノバは狭い土地に建物が密集しており、馬車も通れないような狭い道ばかり。黒海から北欧までを股にかけた大規模な商業を営んでいた中世の貴族たちの邸宅は、地階部分に倉庫や店屋を構えた実用一辺倒なつくりになっていました。
ところが、16世紀半ばごろになると、ジェノバ共和国の最大の収益源は商業ではなく、ヨーロッパ各地の王侯貴族を相手にした銀行業になりました。すると、スペインやフランスの王室や各地の諸侯などを筆頭に、融資の相談にやってくる諸外国のVIPを迎える場面が増えてきます。
そこで、人やモノでごった返した港のあたりからは離れた地域に新たな区画を整備し、そこへ財力のある貴族たちにそれぞれ豪華で洗練された邸宅を建てさせ、「ロッリ」に登録して国賓の滞在場所として順番に利用したのです。


「新通り」は17世紀の"ウォール・ストリート"!?

こうして開発された区域が「ストラーデ・ヌオーヴェ(新通り)」であり、現ガリバルディ通り(16世紀)、バルビ通り(17世紀)、カイロリ通り(18世紀)がそれにあたります。
Pic.2-3.JPG
(バルビ通り。道の両側に建つ邸宅はジェノバ大学のキャンパスにもなっています)


融資契約を獲得するため、貴族たちは「私はこれだけの資産を持っていて、いつでも多額の融資ができる」とアピールする必要がありました。当時の最新の流行を取り入れた、ゴージャスで美しい屋敷群は訪れる賓客たちを魅了したのだそうです。ガリバルディ通りはかつてVia Aurea(黄金通り)とも呼ばれていました。
その後、新たな区画のものに限らず、市内に点在する、外国の客人を迎えるに堪えうる壮麗さを備えた邸宅も「ロッリ」に登録されました。これらは大きさや美しさ、豪華さなどの基準によりランク付けされ、王室クラスのVIPを迎えるものから、中下級の貴族や、一般の使節や外交官などを滞在させるための邸宅まで3クラスに分類されました。
そして、現存するこれら邸宅群のうち42が世界遺産に登録されています。

「Rolli Days」は最大のチャンス!

さて、Rolli Daysはその邸宅群をめぐりながらジェノバの街を探訪するのにぴったりなイベントなのです。


現在も残っている「ロッリ」の邸宅群は全てが常時観光客向けに公開されているわけではありません。むしろ、博物館などになっているものはごく一部で、多くの邸宅は企業や政府機関、商店などに利用されています。(ジェノバ大学もその一つです)
このイベントは、こうした「ロッリ」の邸宅群を多くの観光客が訪問できるよう企画されたものです。


当日は、普段は一般公開されていない邸宅の一部が一般開放され、学生ボランティアによる各邸宅のガイドツアーも行われます(英語ガイドあり)。
Pic.2-4.JPG
(ドーリア-トゥルシ宮殿[Via Garibaldi 9]。現在は市庁舎ですが、博物館でもあります。この日は結婚式をやっていました)


また、「赤の宮殿」「白の宮殿」「トゥルシ宮殿」や「スピノラ宮国立美術館」をはじめとする、「ロッリ」の邸宅を利用した博物館については入場料の免除や割引が行われます。
現在も使用されているとはいえ、どの邸宅にもジェノバ共和国当時の素晴らしい装飾や調度品が残っており、その絢爛さにきっと驚くことでしょう。往時の繁栄に想いを馳せながらの探訪は、なかなかロマンチックですよ。


それぞれの邸宅や博物館についても、今後このブログ内で詳しくご紹介していこうと思います。ご訪問の際にはぜひご参照くださいませ!

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カテゴリー イベント・行事・お祭り 見所・観光・定番スポット
2018年4月27日
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      ジェノバ特派員
      浅井まき
      大学卒業後、社会人を経て2015年渡伊。イタリア北部リグーリア州の港町ジェノヴァに住み始めてはや3年目。現在はジェノヴァ大学の大学院史学研究科に在籍。日本と大きく異なるイタリアでの大学院生生活に四苦八苦しつつ、17~18世紀のジェノヴァ共和国に関する研究を行っている。自分の専門以外にも西洋史全般、美術、現代音楽、グルメ、スポーツなどへの関心大。晴れた休日には近郊へ写真撮影に行くのが楽しみ。 DISQUS ID '@disqus_n3hiU5o4o9

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